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NY原油8日:米原油・ガソリン在庫の増加で下落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油8月限 前日比0.68ドル安

始値 52.91ドル

高値 52.96ドル

安値 50.91ドル

終値 51.65ドル

米原油在庫の増加を手掛かりに、期近主導で下落した。

アジアタイムは安値是正を進める動きも目立ったが、米原油在庫が予想外の増加となったことを受けて、売られている。米エネルギー情報局(EIA)によると、米原油在庫は前週比+38万バレルの4億6,576万バレルとなっている。決して大規模な在庫積み増しが行われている訳ではないが、在庫の積み増しそのものがサプライズだったことで、改めて売り圧力が強くなっている。本日はガソリン在庫も前週比+122万バレルの2億1,795万バレルと増加しており、製品需給のタイト感から相場を押し上げることにも失敗している。

中国の商品市況が急落していること、イラン産原油の市場復帰に対する警戒感も引き続き上値圧迫要因になっている。前日安値50.58ドルを下抜くまでの勢いは見られなかったが、50ドル割れも現実的なターゲットとして想定できる状況が維持されている。為替市場でドルが反落する中、下げ幅は限定されたが、上値の重さが再確認できる状況にある。

国際原油需給の緩和状態に加えて、イラン産原油の市場復帰に対する警戒感も強く、下値模索の展開が維持され易い。本格的な値崩れにはドル高が必要不可欠と考えているが、米国内需給要因から安値是正を進める動きもみられない中、下値切り下げ傾向が維持され易い。このままドル高への傾斜がみられれば、コアレンジは40ドル台に切り下がろう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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