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NY金26日:ドル高加速で大幅続落、1,200ドル割れ

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

COMEX金6月限 前日比比27.10ドル安

始値 1,205.20ドル

高値 1,208.20ドル

安値 1,184.80ドル

終値 1,186.90ドル

為替相場が大きくドル高方向に振れたことが嫌気され、大幅続落となった。

米景気減速懸念を背景としたドル安の流れが逆転する中、これまでドル安に下値を支えられてきた金相場に対しては売り圧力が強くなっている。アジアタイムから戻り売り優勢の展開になっていたが、欧州入り前に1,200ドルの節目を割り込み、その後も断続的にストップロスを巻き込む形で下げ幅を拡大している。1,185~1,190ドルのレンジ下げ一服となるも、安値是正を進めるような動きは見られなかった。

本日は特に何か大きなネガティブ材料が浮上している訳ではないが、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに対する警戒感が蒸し返されていることが、金相場の上値を圧迫している。先週末にイエレンFRB議長は年内利上げの可能性を想定していることを示唆しており、いずれにしても利上げ着手時期が近づいていることには変わりがないとの冷静な評価が優勢に。特に、欧州中央銀行(ECB)などの緩和スタンスが更に強化されるリスクが警戒される中、主要先進国の中で金融政策スタンスの正常化に近い位置にあるドルが買われ易くなっている。

本日は米長期金利がギリシャ問題への警戒感から低下したが、金相場は利上げ、更にはそれに伴うドル高圧力を織り込む形で大きく下落している。4月米耐久財受注は前月比-0.5%に留まったが、市場予測と一致したことや3月分が速報から大きく上方修正されたこともあり、金からドルへの資金シフトの動きに歯止めを掛けるには至らなかった。

チャートでは、200日移動平均線、100日移動平均線に続いて、50日移動平均線も下抜けし、トレンドが下方向に大きくか傾いていることが確認できる。一目均衡表では雲下限が打診されており、直近安値1,168.40ドル(5月1日)割れから年初来安値1,141.60ドル(3月17日)を試す流れが想定される。

一方、反転リスクとしては、引き続きギリシャ情勢に注意が必要。ギリシャの国際通貨基金(IMF)に対する返済期限は、6月5日から始まる。ギリシャ政府内からはデフォルトを想定した発言も聞かれるようになっており、これまで同様に最終局面でギリシャと債券者が合意できるのかが問われることになる。ギリシャ10年債利回りは、11.44%まで上昇している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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