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NY金23日:ドル安継続で小幅続伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

COMEX金4月限 前日比3.10ドル高

始値 1,183.20ドル

高値 1,188.80ドル

安値 1,178.60ドル

終値 1,187.70ドル

米連邦公開市場委員会(FOMC)のドル反落局面が続く中、金相場も続伸した。

特に目新しい材料が見当たらない中、アジア・欧州タイムは前日同様に動意を欠く展開となり、1,180ドル台前半を中心に揉み合いとなった。ただ、ニューヨークタイムに入るとこちらも前日同様にショートカバー(買い戻し)が膨らみ始め、一気にプラスサイドを回復する展開になっている。積極的に買い進むような動きまでは見られなかったが、引けにかけてはじり高の展開となり、時間外取引では更に1,190ドル台を回復する展開になっている。

FOMCをきっかけに米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手を織り込む動きが一服する中、これまでの急激なドル相場高・金相場安の反動局面を迎えている。本日は、フィッシャーFRB副議長が年内に利上げが着手されるとの見通しを示すも、初回利上げ後の金利上昇ペースはスムーズな上昇軌道をたどらないとの見方を示したこともあり、ドル修正安の流れを変えるには至らなかった。クリーブランド連銀の目スター総裁からは、6月利上げは「実現可能な選択肢」といったタカ派の発言も聞かれたが、ニューヨークタイムに入ってからのドル安圧力を修正するには至らず、金相場に対する影響は限定的だった。

ギリシャのチプラス首相がドイツを訪問しているが、ドイツとの首脳会談では改めて財政再建の公約実施を求められた。緊急支援についての言及はなく、今週中に新たな救済プログラムで合意できるのかは不透明感が強い。ただ、欧州債務問題のリスクプレミアムを織り込むような動きは限定された。為替市場でも、ユーロを売り込むような動きは観測されていない。

引き続き為替相場次第の相場環境になるが、現在は急激なドル高が修正局面を迎えているのと同様に、金相場もダウントレンドのスピード調整を迫られている局面と評価している。ドル安圧力が続く間は、金相場に対しても買い戻し圧力が強まり易い。もっとも、最短で6月にも利上げが行われる可能性があるという基本環境は、FOMC前後で何も変わっていない。イエレンFRB議長はマーケットが利上げ時期の特定を進めて織り込んでいくことを強く警戒しており、ドル相場高・金相場安の流れが一本調子に進むことはない。今後も各種指標から利上げ期待を織り込み、それをFRBが牽制する動きが、利上げ着手ぎりぎりの状況まで続く見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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