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藤井聡太二冠、朝日杯3度目の優勝なるか――第14回朝日杯将棋オープン戦準決勝、決勝展望

古作登大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
朝日杯3度目の優勝を目指す藤井聡太二冠(筆者撮影)

 第14回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)は2月11日東京都千代田区「有楽町朝日ホール」で準決勝と決勝が行われる。ベスト4に勝ち進んでいるのは渡辺明名人(36)、藤井聡太二冠(18)、三浦弘行九段(46)、西田拓也四段(29)。

 本棋戦では渡辺名人が第6回で優勝。藤井二冠は第11回、12回を連覇している。

 データを基に優勝の行方を予想してみた。

藤井二冠が最有力

 準決勝の対戦カードは渡辺名人(棋王・王将)-藤井二冠(王位・棋聖)戦、三浦九段-西田四段戦。それぞれの対戦成績と最近10局の勝敗は以下のとおり。

<渡辺名人の対戦成績と最近10局>

対藤井二冠 1勝4敗

対三浦九段 17勝9敗

対西田四段 0勝0敗

最近10局 7勝3敗

<藤井二冠の対戦成績と最近10局>

対渡辺名人 4勝1敗

対三浦九段 1勝1敗

対西田四段 0勝0敗

最近10局 10勝0敗

<三浦九段の対戦成績と最近10局>

対渡辺名人 9勝17敗

対藤井二冠 1勝1敗

対西田四段 0勝0敗

最近10局 4勝6敗

<西田四段の対戦成績と最近10局>

対渡辺名人 0勝0敗

対藤井二冠 0勝0敗

対三浦九段 0勝0敗

最近10局 4勝6敗

 一番勝負では何が起こるかわからないけれども、データからは現在12連勝中と絶好調で、順位戦でも2月9日に9戦全勝でB級1組昇級を決めたばかりの藤井二冠が優勝の最有力候補なのは間違いない。

 対抗は実績でまさる渡辺名人。王将戦七番勝負(対永瀬拓矢王座・現在3-0)、棋王戦五番勝負(対糸谷哲郎八段・現在0-1)とタイトル防衛戦を並行して戦っている中での安定感はさすがだ。

未知数の魅力、西田四段の振り飛車に注目

 今回のベスト4進出者の中で唯一の振り飛車党が西田四段。そのほかの3人は居飛車党だ。

 朝日杯は1回戦から決勝まで持ち時間が40分(先後は振り駒で決定)と短いため、指しなれた得意戦法を用いる可能性が高い。

 渡辺名人-藤井二冠戦は矢倉に進む確率が高そうだ。ただし藤井二冠先手の場合、後手の渡辺名人が角換わりを拒否しての雁木や手将棋模様の居飛車力戦を選ぶ可能性があるだろう。

 三浦九段―西田四段戦は先後どちらでも西田四段の三間飛車が大本命。居飛車党の三浦九段は急戦を含みにした駒組みで対抗すると予想する。

 実績やデータからは厳しいと思われる西田四段だが、無欲で指すことができれば思わぬ波乱が起きるのではと見ている。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員

1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

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