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藤井聡太七段が豊島将之名人と激突――竜王戦決勝トーナメント展望

古作登大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
藤井聡太七段は大きな壁となる豊島将之名人との対局に臨む(筆者撮影)

 広瀬章人竜王への挑戦者を決める第32期竜王戦(読売新聞主催)決勝トーナメントは7月23日に藤井聡太七段(ランキング戦4組優勝)と豊島将之名人(ランキング戦1組4位)の対局が大阪市福島区の関西将棋会館で行われる。

 藤井七段は近藤誠也六段(ランキング戦5組優勝)、久保利明九段(ランキング戦1組5位)を連破しての勝ち上がり、豊島名人は本局が決勝トーナメント初戦となる。データを基に勝敗と展開を予想してみた。

両者の調子はほぼ互角

<藤井七段の最近10局>(未放映のテレビ対局を除く)

5月31日 竜王戦ランキング戦4組決勝

対菅井竜也七段○ ※千日手指し直し

6月3日 王座戦本戦

対佐々木大地四段●

6月11日 棋聖戦1次予選

対東和男八段○

6月11日 棋聖戦1次予選

対伊奈祐介六段○

6月18日 順位戦C級1組

対村田顕弘六段○

6月22日 王将戦1次予選

対千田翔太七段○

6月28日 竜王戦決勝トーナメント

対近藤誠也六段○

7月2日 順位戦C級1組

対堀口一史座七段○

7月5日 竜王戦決勝トーナメント

対久保利明九段○

7月18日 王将戦2次予選

対佐藤康光九段○

<豊島名人の最近10局>(未放映のテレビ対局を除く)

5月16、17日 名人戦七番勝負第4局

対佐藤天彦名人○

5月20日 竜王戦出場者決定戦1組

対稲葉陽八段○

5月29日 王座戦本戦

対横山泰明六段○

6月4日 棋聖戦五番勝負第1局

対渡辺明二冠○

6月19日 棋聖戦五番勝負第2局

対渡辺明二冠●

6月25日 王座戦本戦

対渡辺明二冠○

6月29日 棋聖戦五番勝負第3局

対渡辺明二冠●

7月3、4日 王位戦七番勝負第1局

対木村一基九段○

7月9日 棋聖戦五番勝負第4局

対渡辺明二冠●

7月12日 王座戦本戦準決勝

対羽生善治九段○

 データが示すとおりどちらの対局者も強豪との対戦が多い。

 藤井七段の好調はあいかわらずだが、豊島名人は3敗しており気になる向きもあるだろう。ただし相手は絶好調の渡辺・現三冠(棋王、王将、棋聖)で、不安材料とまではいえない。調子の面ではほぼ互角といっていいだろう。

直接対決では豊島名人が貫禄示す

<藤井七段vs豊島名人の成績と戦型>

(未放映のテレビ対局を除く)

2017年8月24日棋王戦本戦

藤井●-○豊島(先) ※千日手指し直し

角換わり腰掛け銀

 直接対決はまだ少ないが、一昨年の棋王戦では千日手指し直しの末に豊島が圧倒している。千日手局も角換わり腰掛け銀だったが藤井にとっては先手番の優位を生かせない不本意な内容だった。

 今回の戦型は角換わりか相掛かりが予想され、総合的には棋聖を失い名人・王位の二冠に後退したものの豊島名人に「一日の長」があり、やや有利と見る。

 もし藤井七段がこの大きな壁を乗り越えれば、勢いに乗って挑戦まで一気に駆け上がる可能性は高いだろう。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員

1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

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