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交流戦制覇の巨人、本命にいよいよエンジンがかかってきた

小中翔太スポーツライター/算数好きの野球少年

東京ドームで空中戦・・・とはならなかった

開幕前から優勝候補筆頭に挙げられながらセリーグ3位、貯金3の状態で交流戦に突入した巨人、直前に5連敗を喫するなど決してチーム状態が良いとは言えなかった。5月31日に右手人差し指の骨折から復帰した亀井が打率.356、3本塁打、10打点の活躍でチームを引っ張ったがチーム打率.255は9位。規定打席到達で3割を超えたのは村田だけ。本拠地・東京ドームでDHを使える今季の交流戦であったがチーム本塁打17は6位。セリーグ相手の戦いに比べ出塁率、長打率共に数字を落とす。1試合平均得点は4.17点だったがこれはもちろん大勝した試合が平均値を押し上げたもので、3得点以下の試合は交流戦の半数に当たる12試合もあった。4点取れない中で勝つためには守るしかない。

小山の好投と山口、マシソンの復調で接戦を制す

防御率2.82は12球団トップ。3失点以下に抑えた試合はなんと24試合中17試合。交流戦2位のソフトバンクには打率で5分近く及ばなかったが、防御率では1点以上の差をつけ2度目となる交流戦王者に輝いた。

菅野、杉内が先発としての役目をしっかり果たすと、小山が3勝0敗、防御率1.33と大活躍。4本柱の大竹が0勝に終わり、内海の離脱もあったが5番手に過ぎなかった4年目右腕がチームを救った。

小山の好投以外で大きかったのがリリーフ陣の復調。マシソンは交流戦前は5.21だった防御率が交流戦では2.31に改善。山口も5.84から0.71と安定感を取り戻し、2人の成績を合計すれば24回1/3で4失点。終盤の鉄壁リレーを完成させ揃い踏みとなった試合は勝率.900を誇る。チーム全体としても1点差試合は7勝1敗と競り合いに強く、先制すれば14勝2敗とほとんどの試合で逃げ切りに成功した。

交流戦前はチーム防御率4.18だったが、交流戦では12球団トップのチーム防御率2.82の成績を残し貯金を3から11に増やした。打線も6月は1試合平均4.73得点を奪い6月8日からは7連勝を飾るなど10勝5敗と上り調子。本命・巨人にいよいよエンジンがかかってきた。

スポーツライター/算数好きの野球少年

1988年1月19日大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当し、スポーツナビや高校野球ドットコムにも寄稿する。セイバーメトリクスに興味津々。

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