マー君攻略のベストオーダーを考える
24勝0敗、防御率1.27。
プロ野球の歴史上初めて無敗での最多勝に輝いた楽天・田中。統一球が変更されても防御率は3年連続1点台を記録した。リーグ優勝決定時、CSファイルステージと日本シリーズの最後の瞬間をマウンドで迎えた誰もが認める現在のNPB最強投手。
212回を投げて被本塁打は6本だけ。4試合に1本と非常に少なく、四球も1試合平均1.36と制球の安定感も抜群。一発攻勢は難しく、自滅にも期待出来ない。そんな難攻不落の大投手を攻略するためのベストオーダーはどのようなものか。今季、田中相手に相性の良かったのは以下の12人。
(条件・・7打数以上対戦し打率.300以上)
日本ハム
小谷野.333(24打数8安打)
中島.462(13打数6安打)
西武
浅村.429(7打数3安打)
ソフトバンク
長谷川.300(10打数3安打)
ロッテ
井口.364(11打数4安打)
岡田.300(10打数3安打)
オリックス
安達.308(13打数4安打)
糸井.429(14打数6安打)
坂口.357(14打数5安打)
後藤.300(10打数3安打)
駿太.333(9打数3安打)
阪神
西岡.429(7打数3安打)
強いぞ、オリックス
まず目を引くのがオリックス勢の多さ。対戦打数が10打数を超える選手が多いにも関わらずハイアベレージを残している選手が5人もいる。実際、田中のチーム別被打率でオリックスの.262は12球団ワースト。特に外野はオリックスだけで組める。5打数以上対戦している捕手の中で最も打率が高いのもオリックス・伊藤.273(11打数3安打)。
田中攻略布陣を揃えようと思ったらスタメンの半分近くはオリックス勢で占められそうだ。
田中をカモにした長距離砲不在
もう1つ注目したいのが、12人の中にホームランバッターがいないということ。小谷野、浅村、井口は4番としてシーズンを戦った経験があるが必ずしも4番タイプではない。
言い換えれば今季の田中はスラッガーに対して強かった。代表的な名前を挙げると
中田.167(18打数3安打)
松田.111(9打数1安打)
内川.100(10打数1安打)
ラヘア.143(7打数1安打)
ブラゼル.000(4打数0安打)
T-岡田.182(11打数2安打)
阿部.000(6打数0安打)
村田.000(5打数0安打)
一発のある打者に無類の強さを発揮していることがわかる。李大浩には被打率.286(14打数4安打)と完全に抑え込んでいるわけではないが、安打は全て単打。持ち味を出させなかったという意味では、田中の勝ちと言えるだろう。
唯一2本塁打を打たれたアブレイユ.269(26打数7安打)からも7奪三振としっかりやり返している。
ベストオーダーは・・
そんな田中に対し上記のメンバーでポジションも考えてスタメンを組むと
1番 ファースト・浅村
2番 ショート・中島
3番 ライト・糸井
4番 DH・井口
5番 サード・小谷野
6番 レフト・坂口
7番 センター・駿太
8番 キャッチャー・伊藤
9番 セカンド・西岡
が一例。この9人の成績を合計すると奪三振はちょうど5打数に1度の割合。このメンバーで戦えば少なくとも奪三振ショーで手も足も出ないという事態は避けられそうだ。
浅村には全国制覇を成し遂げた大阪桐蔭高校時代と同じく、思い切りの良い切り込み隊長としての役割を期待し、小技と足が使えて田中相手に最高打率を残した中島を2番に据える。そしてクリーンアップは4割超えの糸井から始まる布陣。下位打線にも足の使えるメンバーが名を連ね、2巡目の攻撃は9番・西岡を起点にOPSリーグトップの浅村へと繋がって行く。
長打に頼るのではなく、しぶとくつなぐ打線のイメージ。攻略のカギはランナーをためてドカン、よりも集中打。ただここ1番で更にギアが上がるのも田中の特徴の1つ。そう簡単には行かないだろう。
新ポスティング制度を利用し海を渡ればこれ以上にしぶとく、またパワー溢れる打線を相手にすることになる。NPB最強と謳われたダルビッシュ同様、日本人投手のレベルの高さを存分に証明してほしい。
頑張れ、マー君!