有名女優の「性録画物」見てバレた北朝鮮高校生の悲惨な運命

金正恩氏(朝鮮中央テレビのキャプチャー画像)

昨年12月4日の最高人民会議常任委員会第14期第12回総会で採択された「反動的思想・文化排撃法」。主なターゲットは韓流などの外国の映画、ドラマなどのエンタメコンテンツの視聴、流通と、海外のラジオの聴取だが、淫乱物、つまりアダルトビデオ(AV)も取り締まりの対象となっている。

その初めてと思われる摘発事例について、平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

摘発されたのは、新義州(シニジュ)在住の10代の男子生徒。情報筋によると、「この生徒は親が留守にしている間に、密かに某有名女優が出演したAVを見ていたところ、常務(取り締まり班)に踏み込まれ、逮捕された」という。ちなみに、有名女優が誰であるかは詳らかでない。

(参考記事:【写真】美人女優ピョン・ミヒャンの公開処刑で幕を閉じた「禁断の映画」摘発の内幕

反動的思想・文化排撃法は29条で「性録画物または迷信を説いた図画を見たり、保管したりした者は5年から15年の労働教化刑(懲役刑)に処し、流入、流布させた場合には無期労働教化刑に、程度によっては死刑に処しうる」と定めている。

また、34条から38条は「子どもに対する教育、教養を無責任に行い、反動思想文化犯罪が発生した場合には、10〜20万北朝鮮ウォン(約1500円〜3000円)の罰金刑に処す」と定めている。

ただし、違反者本人が未成年である場合の扱いについては明示されていない。法施行の直後とあって、もし本人が成人ならば、見せしめとして最高刑の死刑判決が下されていた可能性もあるが、結局は親の教育が悪かったという扱いになったのか、家族全員への追放処分で済まされた。

つまり、都会から追い出され、奥地の農村に送られるという島流しのようなものだが、都市戸籍と農村戸籍の間で経済格差や差別が存在し、食糧事情が厳しい中での革命化(奥地への追放)は、「死に至るまで放置する」処分と言っても過言ではないだろう。実際、市民の間からは「10代の子どもなのにひどすぎないか」と同情論が聞こえるという。

金正恩総書記は、今月8日から11日まで開かれていた朝鮮労働党中央委員会第8期第2回総会での報告で、反社会主義、非社会主義(風紀の乱れ)に対して厳しく取り締まる方針を示していることから、今後も厳しい取り締まりが続くものと思われる。

一方、同法の34条から38条は「学生に対する遵法教養と掌握統制を無責任に行い、反動思想文化犯罪を発生させた場合、無報酬労働処罰、降職(降格)、解任、撤職(更迭)などの処罰を行う」と定めている。実際、この男子生徒の通う学校の校長に対しては、無報酬労働の処分が下されたが、降格や解任は回避された。

なお、韓国の情報機関、国家情報院は今月16日の国会情報委員会での報告で、反動的思想・文化排撃法に合わせて、韓流ドラマなどのコンテンツを視聴した場合は最高で15年の懲役刑、持ち込んで流布させた場合には、最高で死刑にできるように刑法の改正も行われ、各道、市、郡に、非社会主義現象の打倒のための連合指揮部が設置されたと説明した。