韓国軍が新型弾道ミサイルの実験成功…朝鮮半島で進む「兵器開発」競争
韓国軍が3日、射程500キロ以上の弾道ミサイル「玄武(ヒョンム)2-B」の発射実験を行った。早ければ今年の末にも実戦配備される予定で、そうなれば韓国軍は、北朝鮮全土を射程に収めることになる。
朝鮮半島の軍事情勢では北朝鮮が注目されがちだが、韓国と米軍もそれなりの動きをしている。
韓国陸軍は今年後半から来年にかけ、最大射程が80キロに達する次期多連装ロケットシステム(MLRS)を黄海の西北島に配備する計画だとされる。
MLRSは一度の一斉射撃で、20万平方メートルに及ぶ範囲の兵員や軽車両を制圧できる火力兵器だ。
米陸軍も、すでに韓国に駐留させている2個MLRS大隊に加え、新たに1個大隊を6月から増派する。米陸軍は、増派は部隊の組織改編に応じたものであり「アジア重視戦略とも関係ない」と説明しているが、北朝鮮に対する前線の軍事圧力は確実に高まる。
また、米海軍は3月から行われた米韓合同軍事演習に、沿海域戦闘艦(LCS)フォートワースを初めて参加させた。LCSは水深の浅い海域での任務を目的に開発されたものだ。
LCSの最大の特徴は、C4ISRと呼ばれる高度な情報処理システムを中核に、任務に応じて様々な装備を追加搭載できる点にある。対北朝鮮の沿海域で作戦行動をする場合、対潜・対機雷装備のほか、特殊部隊浸透用の装備を搭載する可能性が高い。
北朝鮮はミサイル高速艇や潜水艇、半潜水艇を増強しており、これらは水深の浅い朝鮮半島の西側海域でとくに脅威となっている。
2010年の哨戒艦「天安」撃沈に際しては、特殊部隊の潜水艇が浅瀬での待ち伏せ攻撃を行ったと見られている。
朝鮮半島における今後の軍事バランスの動向に注目したい。