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大坂なおみ、USオープン前哨戦けがによる棄権で準優勝! それでも、「エモーショナルな1週間でした」

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
左足のハムストリングを痛め、決勝前に棄権を申し出た大坂(写真/神 仁司)

 USオープン前哨戦(ウエスタン&サザンオープン)決勝で、大坂なおみ(WTAランキング10位、以下同)は、ビクトリア・アザレンカ(59位、ベラルーシ)と対戦する予定だったが、大坂が左足のハムストリングのけがで、決勝前に棄権を申し出て試合はキャンセルとなり、準優勝という結果に終わった。

「けがによって今日棄権することになって申し訳ないです。昨日(準決勝で)第2セットのタイブレークで左足のハムストリングを伸ばしてしまいました。一晩様子を見ましたが、自分が望むような回復はありませんでした」

 大坂にとっては、今回の大会が、新型コロナウィルスによるツアー中断からの復帰初戦であった。そして、復帰戦にもかかわらず前哨戦で準優勝を成し遂げた。また、オフコートでは、黒人人種差別問題を受けて、大会離脱表明と準決勝でのカムバック、慌ただしく過ごした。だが、振り返れば実りのある1週間だったといえるのではないだろうか。

「エモーショナルな1週間でした。あふれんばかりのサポートをしてくれた皆さんに感謝したいです」

 こう振り返った大坂のテニスの調子自体は、半年ぶりの実戦としては、上出来と言ってよかった。まずは、けがの回復を祈りたい。

 8月31日から、テニス4大メジャーであるグランドスラム・USオープンが、前哨戦と同じ場所であるUSTAビリー・ジーン・キングナショナルテニスセンターで開幕する。

 今回は、ツアー再開後の過密スケジュールによって、前哨戦とUSオープンとの間がほとんどないため、決勝まで勝ち上がった大坂のスケジュールは超過密になってしまった。だから、USオープンを考えるならば、けがの回復のために、決勝の棄権は賢明な判断といえる。

 大坂は、USオープン1回戦で土居美咲(78位)と対戦する。対戦成績は、大坂の1勝0敗だ。試合は、大会初日8月31日(ニューヨーク時間)のナイトセッション第2試合に組まれた。舞台は、USオープンのセンターコートにあたるアーサー・アッシュスタジアムだ。ただし、無観客試合だ。

「彼女(土居)が、本当に危険な対戦相手だということはわかっています。左利きですし、動きもとても良いです。私にとっては、本当にタフな試合になるでしょう」

 日本テニスファンの注目の一戦になりそうだ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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