たっちゃん、勝利の雄叫び! 伊藤竜馬が、右ひじの手術を乗り越え全豪テニス初戦突破! 次はジョコビッチ

全豪1回戦で勝利の瞬間、雄叫びをあげてガッツポーズをする伊藤(写真/神 仁司)
全豪1回戦で勝利の瞬間、雄叫びをあげてガッツポーズをする伊藤(写真/神 仁司)

 テニス4大メジャーであるグランドスラムの初戦・オーストラリアンオープンの1回戦で、ワイルドカードを獲得して出場した伊藤竜馬(ATPランキング146位、1月20日づけ)が、ブラジネシュ・グンネスワラン(123位・インド)を、6-4、7-5、6-3で破り、オーストラリアンオープンでは2013年以来7年ぶりに2回戦進出を決めた。

 グランドスラム全体では、2014年USオープンでの初戦突破以来の嬉しい勝利となった。

「マッチポイントの時は、一番嬉しかったですね。いろんな思いが込み上げて来た感じでした。ひじのけがもあったけど、あきらめずにやれたというのは、すごく嬉しかったですね」

 伊藤は、サービスエース6本、フォアハンドのウィナー10本、バックハンドのウィナー7本を含む合計29本のウィナーを決めて、日本男子ではトップレベルで、彼のもち味であるパワーも見せつけた会心のテニスだった。

 実は、今回伊藤が獲得したワイルドカードは、通常の大会推薦枠とは異なり、昨年の12月4~8日に中国・珠海で開催されたアジア・パシフィック ワイルドカード プレーオフに出場し、そこで優勝して、2020年オーストラリアンオープンの本戦ワイルドカードを獲得しての出場だった。

 実は、当初ワイルドカード プレーオフに出場するのに迷いがあったという

「昨年の秋頃に、大会があるよって言われて、まずはエントリーしてみようと。いつもならオフシーズンの時期に、またトレーニングをして上げていかないといけないので、自分の気持ちの中で、出ようかな、出ないでおこうかな、というのがあったけど、結局トライした。優勝できたのでよかったです。それにしっかり(全豪で)1回勝てたので、なおさら良かったです(笑)」

 今回のグランドスラムでの勝利に辿りつくまでに、伊藤は、大きな試練を乗り越えなければならなかった。

 もともと伊藤は、小学生6年生の冬に、右ひじの離断性骨軟骨炎の手術をして、約1年リハビリに費やした。その古傷が、2016年のウィンブルドンの前(6月)に再発。ウィンブルドン後に手術をした。

 術後1年間なかなか痛みがとれず、思い切りプレーができなかったが、2018年に入ってようやく痛みが消えて自分の思うようなテニスができるようになったという。そんな中、伊藤は、テニスと向き合う気持ちがさらに確固たるものになった。

「どんな状況でも、自分はテニスが好きでやっていることを確認できた。今は、コート上で楽しむように心がけています」

会心の勝利に、喜びのサムアップしてくれた“たっちゃん”(写真/神 仁司)
会心の勝利に、喜びのサムアップしてくれた“たっちゃん”(写真/神 仁司)

 2回戦で伊藤は、ディフェンディングチャンピオンのノバク・ジョコビッチ(2位、セルビア)と対戦することになった。オーストラリアンオープンで7回の優勝を誇るジョコビッチとは、2015年モンテカルロ大会で練習したことがあるという。

「(練習では)思っていた以上にボールが重かったですし、ボールが深い。(ジョコビッチ戦は)非常に楽しみです。自分の攻撃が、どこまで通用するのか楽しみです。(自分の)フォアハンドでどこまで通用するのかをやっぱり試したいですね」

 伊藤とジョコビッチの2回戦は、1月22日、大会3日目、オーストラリアンオープンのセンターコートにあたるロッド・レーバーアリーナの第3試合に組まれた。

「グランドスラムで、ジョコビッチと大きなコートでできるというのは、嬉しいですね」

 大舞台でのプレーに、31歳の伊藤は、まるで少年のように目を輝かせて、人懐っこい優しい笑顔を浮かべながらジョコビッチとの初対戦を心待ちにしている。果たして、ジョコビッチとの大一番で、伊藤がどんなプレーを見せるのか……。伊藤に失うものは何もない。今、伊藤の持てる力を最大限に出してベストテニスで挑んでほしい。