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一緒に練習したフェデラーが評価した、望月慎太郎の才能とは!? 男子テニス最終戦・ATPファイナルズ

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
モンフィスと握手する望月慎太郎(写真左)(写真/神 仁司、撮影機材ソニーα9)

 男子ワールドプロテニスツアー最終戦であるNitto ATPファイナルズ(11月10日~17日、ロンドン・O2アリーナ)大会3日目、ビヨン・ボルググループのラウンドロビン(総当たり戦)の第2戦で、第3シードのロジャー・フェデラー(3位、スイス)が、第8シードのマテオ・ベレッティーニ(8位、イタリア)を、7-6(2)、6-3で破り、今大会1勝目を挙げた。

驚くべきことに、過去16回出場したツアー最終戦のラウンドロビン第2戦で一度も負けたことがなかったが、今回も勝利してこれで17戦全勝となった。

ラウンドロビン第2戦で負け知らずのフェデラー(写真/神 仁司、撮影機材ソニーα9)
ラウンドロビン第2戦で負け知らずのフェデラー(写真/神 仁司、撮影機材ソニーα9)

 実は、今回のATPファイナズには、世界のトップジュニア選手数名が招待されていて、その中にはITFジュニアランキング3位の望月慎太郎も含まれている。

 望月は、2019年ウィンブルドン・ジュニア男子シングルスで、日本人初の優勝を成し遂げた。さらに、ウィンブルドン直後には、日本男子ジュニアで初めてITFジュニアランキング1位に登り詰めたのだった。

 11月10日の午後にロンドン入りした望月は、ファイナルズのセンターコートと、ロンドン南西部にあるクィーンズテニスクラブのインドアコートで、フェデラーと練習した。

「2回練習をしたけど、彼(望月)は、すごくクリーンにボールを打つ、動きも速いよね」

 こう望月を評価するフェデラーは、2019年ウィンブルドン・ジュニア男子シングルス準決勝で、望月が、マーチン・ダム(ITFジュニアランキング5位、アメリカ)とファイナルセットまで大接戦を演じたのを見たという。

「ウィンブルドンで見たのを覚えているよ。(準決勝は)ものすごいクロスマッチだった。それから決勝で彼(望月)は安定感のあるプレーをしたよね。パワーのある選手ではなくて、彼(望月)は、他と異なる方法でポイントに結びつける。タフなマインドセット、速い足、そして優れた競技者なのだと思う」

「でも、最近は、良い選手なるかどうか予測するのは正直とても難しい」と前置きしたフェデラーは、今回のATPファイナルズに共に初出場を果たしたダニル・メドベデフ(4位、ロシア)とベレッティーニに関して、2人がジュニア時代の時には、2019年シーズンの大ブレークを予測できなかったことを吐露した。

 ちなみに、ここまで望月は、フェデラーだけでなく、補欠でロンドン入りしているガエル・モンフィス(10位、フランス)とも練習をしており、16歳にして本当に貴重な経験を積んでいる。望月は、IMGアカデミーの山中夏雄コーチと共に、トップ選手と練習したり、試合を観戦したりしてから11月17日にロンドンを離れる予定だ。

 準決勝進出への望みをつないだフェデラーは、ラウンドロビン最終戦で、第2シードのノバク・ジョコビッチ(2位、セルビア)と対戦する。ジョコビッチは、直前のマスターズ1000・パリ大会で優勝して好調を維持しており、フェデラーにとっては厳しい戦いになりそうだ。

 ビヨン・ボルググループの第3戦は11月14日に行われるが、フェデラーは、ジョコビッチに対して意地を見せられるかが注目だ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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