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男子テニス史上最年長31歳の年間王者・ナダルが、ATPファイナルズ離脱も、彼がハッピーな理由とは!?

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
ナダルのATPファイナルズ初優勝は、またもや実現しなかった。だが、今季は31歳にしてグランドスラム2冠を達成し、最年長年間ナンバーワンにも輝いた(写真/神 仁司)
ナダルのATPファイナルズ初優勝は、またもや実現しなかった。だが、今季は31歳にしてグランドスラム2冠を達成し、最年長年間ナンバーワンにも輝いた(写真/神 仁司)

 ラファエル・ナダルは、ロンドンの観客に向かって、両手を上げて手を振ったり、右手でサムアップをしたりしながら、テニスコートを後にした。それは、彼の2017年シーズンの終わりを告げるものになった。

 男子ワールドテニスツアー最終戦であるATPファイナルズ(11月12日~19日、ロンドン・O2アリーナ)が開幕し、大会2日目のラウンドロビン(総当たり戦)で、ラファエル・ナダル(1位、スペイン)が、ダビド・ゴフィン(8位、ベルギー)を6-7(5)、6-7(4)、4-6、2時間37分の激戦の末敗れた。

 ナダルは大会前から不安視されていた右ひざの状態が良くなく、本来の動きができなかったが、第2セットでは、ゴフィンのマッチポイントを4回しのぐ驚異的粘りを見せ、タイブレークを奪ってセットオールにした。

 だが、ファイナルセットに入ると、目に見えてナダルの運動量が落ちて、ナダルに反撃の余力はもはや残されていなかった。

 そして、ポストマッチインタビューでは、ラウンドロビン2試合を残して、ATPファイナルズを去ることを表明した。

「十分なパワーを維持しながらプレーできない。勝っても負けても、棄権するつもりでいた。コートで全く楽しむことができないのがわかっていたから」

 ナダルの2017年シーズンは終了した。最後は少し残念な終わり方になったが、2017年シーズンには、ローランギャロス(全仏)とUSオープンで優勝し、テニスの4大メジャーであるグランドスラムで2冠を達成した。

 さらにナダルは、ロジャー・フェデラー(2位、スイス)の追い上げを振り切って、2017年シーズンの年間ナンバーワンに輝いた。ナダルにとっては、キャリア4度目の年間王座(2008、2010、2013、2017年)となったが、31歳での年間1位は、男子史上最年長記録となった。

「もちろんがっかりしている。でも、泣くことはない。素晴らしいシーズンだった。シーズンを通して自分に起きたすべてのことに本当に感謝している」

 右ひざの痛みは、過去にも経験したことのある個所で、新たな部位でないため対処法は熟知していると、ナダルは悲観的になっていない。

「次のシーズンに向けて、自分にチャンスが訪れるようハードに練習するつもりだし、最も重要な大会で、トップレベルを維持して戦い続けられるようにしたい」

 2018年シーズンには、けがで戦列を離れていたアンディ・マリー(16位、イギリス)やノバク・ジョコビッチ(12位、セルビア)が戻って来る。さらに若手の新勢力もぞくぞく台頭し、来季はここ最近にはないほどの激しい競争が予想される。その中で、王者ナダルが、どんなプレーを見せるのか今から非常に楽しみだ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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