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決勝まであと2ポイントの惜敗! ウインブルドンテニス女子ダブルスで、23歳の二宮真琴が初の決勝ならず

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
ウインブルドン女子ダブルス準決勝で惜敗した二宮真琴(写真中央)
ウインブルドン女子ダブルス準決勝で惜敗した二宮真琴(写真中央)

テニスの4大メジャーであるグランドスラムの第3戦・ウインブルドンの女子ダブルス準決勝で、二宮真琴/レナタ・ボラコバ(チェコ)組が、第9シードのチャン・ハオチン(台湾)/モニカ・ニクレスク(ルーマニア)組に6-7(4)、6-4、7-9で敗れ、初の決勝進出ならなかった。

二宮は、ウインブルドン女子ダブルスで2007年の杉山愛以来となる、日本女子選手の決勝進出を狙ったが、あと一歩及ばなかった

準々決勝に続いて準決勝でも、テニスコートの中の4選手で一番躍動していたのは二宮だった。

思い切りのいいフォアハンドのリターンやパッシングショットを打って、ウィナーを奪ったり、相手のミスを誘ったりした。また、素早いフットワークを駆使して次々にポーチも決めた。

第1セットはタイブレークの末落とした二宮組だったが、第2セットは第10ゲームで訪れたワンチャンスをものしてセットオールとした。

ファイナルセットでは、お互いサービスキープが続いたが、二宮組5-4の第10ゲームでは、30-30までいき二宮組が決勝まであと2ポイントというところまでこぎつけた。だがデュースとなり、そこで二宮はポーチに出たが、ニクレスクが読みに勝って、バックハンドのパッシングショットをダウンザラインへ決めた。二宮が準決勝で一番勝負をかけたポイントだったが、取ることができなかった。

第10ゲームはニクレスク組がキープ。その後第13ゲームを二宮組がブレークされて後が無くなったが、「変わらず積極的に行こうと思っていた」という二宮が、第14ゲームをブレークバックして意地を見せた。しかし、再び第15ゲームを二宮組がブレークされて万事休した。

「相手も勝負してきて、自分が動いたことで裏目に出たりとか。自分も勝負したけど、相手も勝負してきているから、しょうがないところもあった。けど、最後のブレーク合戦に行く前に、自分の中で工夫して、ポイントが取れていなくても、もっと違うことをして、トライしていかないといけなかったのかな、と試合が終わってから反省しました」(二宮)

結局、2時間58分の接戦の末、二宮組の初のウインブルドン決勝進出はならなかった。

グランドスラムでの初の決勝進出は逃したものの、二宮がウインブルドン初のベスト4という結果から得た収穫は多い。

「ここに来るまでもたくさんピンチもあったけど、その中で自分のサービスゲームで崩れたりとか、相手の強打に引いてしまったりとか、そういうのが多かったけど克服できて、しっかりサービスキープができるようになった。ポーチにも出れたり、相手の速いボールも止めれたりして、今大会では課題が克服できた。その点は、すごく自分の自信になった。課題はありますけど、もっと自分のいいところを伸ばしていきたい」

二宮のダブルスのWTAランキングは62位だが、ウインブルドン後はトップ50を突破して、30位台まで上昇する予定だ。

ダブルスで得た自信をシングルスにも活かしたいと語る二宮は、ツアー後半戦ではさらにシングルスの試合に力を入れて、シングルスWTAランキング463位を上げ、グランドスラムの予選初出場を目指す。

日本女子テニスの逸材がそろう“1994年組”から、ウインブルドンで二宮が頭角を表し、今後は同期のライバル達と共に、日本女子テニスをさらに面白くしてくれそうだ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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