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日本女子テニス注目の18歳・大坂なおみが、全仏初出場初勝利! パリでも大舞台での強さを見せる!!

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
ローランギャロス初出場初勝利を収めた大坂。大舞台で強い18歳だ(写真/神 仁司)
ローランギャロス初出場初勝利を収めた大坂。大舞台で強い18歳だ(写真/神 仁司)

大坂なおみ(WTAランキング101位、5月23日付け、以下同)が、ローランギャロス(全仏)1回戦で、第32シードのイェレナ・オスタペンコ(36位、ラトビア)を、6-4、7-5で破り、全仏初出場ながら見事初勝利を手にした。

大坂は、1月のオーストラリアンオープンで予選を勝ち上がって、テニスの4大メジャーであるグランドスラムのデビューをすでに果たしているが、今回は本戦ストレートイン(予選免除で本戦から出場)をして、全仏初出場を成し遂げた。

「ローランギャロスでプレーするのは初めてですけど、できるだけリラックスして、楽しもうとしました」(大坂)

1回戦では、大坂とオスタペンコ共に18歳で、若手同士の対決となったが、大坂は、前哨戦のWTAマドリード大会で左ひざを痛めた影響を感じさせないプレーをした。逆に、第1セット第7ゲーム終了後に、オスタペンコがメディカルタイムアウトをとって、トレーナーに左太もものテーピングをしてもらったが、大坂は、自分のペースを乱すことなく、第1セットを先取した。

第2セット中盤から後半にかけて、お互いサーブのブレーク合戦になったが、大坂は、「とても緊張しました。早く終わらそうとして、ポイントを急いで取ろうとしすぎた」と振り返った。オスタペンコが打つバックハンドストロークからプレッシャーを受けて、大坂はがまんのプレーもあったが、彼女らしいパワフルなストロークで応戦してみせた。

結局、大坂は、サービスエース6本を含むウィナー31本を叩き込んだ。得意のサーブでエースを取ることにこだわらず、ラリーをしっかり組み立て、ストロークでも優位に立ち、フォアハンドのウィナーを10本、バックハンドのウィナーを6本決めた。一方で、オスタペンコは29本のミスを強いられた。

実は、ローランギャロスに出場する前に、コートサーフェスのレッドクレー(赤土)は大丈夫だと大坂は語っていた。大坂が住むフロリダ半島には、アメリカ特有のグリーンクレーコートがあり、そこでプレーしていたので慣れているつもりだった。だが、今季レッドクレーで初めてプレーして大坂の思惑は外れた。

「全く異なるものでした。遅い! ハードコート、プリーズ!! でも、文句を言わないでアジャストしないといけないですね」

1回戦でシードダウンをやってのけた大坂は、2回戦で、34歳のベテランであるミルヤナ・ルチッチ‐バローニ(52位、クロアチア)と対戦する。

大坂は、「嬉しいですけど、驚きではありません。ネガティブにならず、自分自身をいい方向へプッシュしようとしています」と語り、浮かれることなく18歳と思えない落ち着きで、全仏初勝利を受け止めている。大舞台に強い大坂の2回戦も非常に楽しみだ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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