「駅弁は現地に行かなければ食べられない」「現地で食べてこそ駅弁はうまい」

 と散々書いてきた駅弁の”定義”がコロナ禍ですっかり変わってしまった。

 いまや駅弁は取り寄せが普通のことになり、調製元も各社次々とオンラインショップをオープンしている。こんな時代が来るとは誰が予想していただろう。いや、予感はあったが、それはごく一部の特殊な駅弁に限ることで、まさかこれほど駅弁が取り寄せ可能になるとは。

『The Times They Are a-Changin' 』 ~Bob Dylan

時代は変わる…ことをまさに体感している。

 私自身は昔はよかった、だのあの頃に戻りたい、だの過去にこだわるタイプではないので、駅弁の時流に付いていく自信はある。が、駅弁界は私が思うより更に先を行っていた。

 5月15日から発売を開始した姫路市の駅弁調製元まねき食品の「全国旅気分シリーズ」は、北海道・東北・北陸・近畿・瀬戸内・九州の名物を盛り込み、ご当地駅弁をイメージさせた6種類の冷凍弁当。まねきならではの味付けで作り上げ、姫路市から発送する。

 届いた冷凍弁当を電子レンジでチンして、さっそく味わってみる。うわっ、うまいっっ!

【北海道】鮭ほたてめし

まねき食品提供
まねき食品提供

【東北】ゴマだれ牛たん弁当

まねき食品提供
まねき食品提供

【北陸】かにおこわ(香住ガニ使用)

まねき食品提供
まねき食品提供

【近畿】ふるさと兵庫 神戸牛牛めし

まねき食品提供
まねき食品提供

【瀬戸内】せとのかきめし(瀬戸内海産牡蠣使用)

まねき食品提供
まねき食品提供

【九州】明太子かしわめし

まねき食品提供
まねき食品提供

 どれもホームの駅弁売店に並んでいてもおかしくないネーミングと内容に、驚き、また感動した。

「駅弁は常温でこそうまい。チンしないように」。これも毎度いろいろな場面で書いてきたが、これからの時代はアツアツ駅弁も食べられる、と修正しなくては。

「全国旅気分シリーズ」は正確にいえば駅弁ではないが、まさに気分は旅をしながら食べる駅弁。取り寄せのリピート決定である。

 ところで冷凍駅弁の第1号は宮崎、都城駅の「かしわめし」だ。

「取り寄せ可能なかしわめしを作りました」小坂恭子社長から一報が入ったのは平成18年(2006)のことだった。駅弁ファンには知られたかしわめし、いつでも好きな時に電子レンジでチンして食べられるようにと冷凍用に開発したのだ。当時は通販専用の駅弁などひとつもなかった。冷凍庫で約1ヶ月間保存が可能なかしわめしは、取り寄せ駅弁の先駆者だった。

せとやま弁当提供
せとやま弁当提供

小坂社長 せとやま弁当提供
小坂社長 せとやま弁当提供

 アイディアマンが多い駅弁業界のご主人たち、次はどんな駅弁が登場するのか? 実に楽しみだ。