フィギュアスケートGP スケートカナダに次いでフランス杯も中止。感染者数世界最大の米国はなぜ開催?

GPシリーズ第1戦、スケートアメリカは今週末から開催される(三尾圭撮影)

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ、第4戦のフランス杯(11月13~15日、グルノーブル)が新型コロナウイルス感染再拡大の影響で中止になったと国際スケート連盟(ISU)が10月19日に発表した。すでにGPシリーズ第2戦のスケートカナダ(10月30~11月1日、オタワ)も10月14日に中止が発表されており、これでGPシリーズは6大会中2大会が中止となった。

 フランスの感染者数は世界8位の91万人(人口約6500万人、感染者率1.4%)、カナダは20万人(人口約3700万人、感染者率0.5%)。

 6大会が行われる国の感染者数と感染者率は以下のようになる。

  • アメリカ:819万人、2.5%
  • カナダ:20万人、0.5%
  • 中国:9万人、0.006%
  • フランス:91万人、1.4%
  • ロシア:142万人、1.0%
  • 日本:9万人、0.07%

 新型コロナウイルスの感染者数、感染者率ともに世界最悪のアメリカでは、今週末からGPシリーズ第1戦のスケートアメリカがネバダ州ラスベガスのオーリンズ・アリーナで開催される。

 なぜ、感染者数も感染者率もアメリカよりも低いカナダとフランスは大会開催を断念したのに、アメリカでは開催されるのだろうか?

羽生結弦は世界での新型コロナウイルス感染拡大防止のために、8月末に今季のGPシリーズの欠場を発表した(三尾圭撮影)
羽生結弦は世界での新型コロナウイルス感染拡大防止のために、8月末に今季のGPシリーズの欠場を発表した(三尾圭撮影)

 今年のスケートアメリカは無観客で開催されるだけでなく、アメリカのスポーツ界で「成功」しているバブル・システムが導入される。

 バブル・システムとは出場選手を始め、会場内に入る関係者だけの隔離空間を設置して行う大会運営システムのこと。選手同士の身体接触が多いバスケットボールのNBAが150億円以上を費やしてフロリダ州オーランドのディズニー・ワールド内に作り上げたバブルは、2ヶ月のリーグ開催期間中に一人の感染者も出さなかった。

 今季のGPシリーズは大会主催国かその近隣国にトレーニング拠点を置く選手のみに出場権が与えられるが、ジャッジも主催国在住者に限定される。出場1選手(もしくは1ペア)に付き1コーチに制限され、バブルに到着するとPCR検査を受ける。結果が出るまではアリーナに隣接されたホテルの部屋で隔離される。

 無観客のスケートアメリカは報道陣の数も最小限に制限されるが、報道陣もバブル内の指定ホテルへの宿泊が義務付けられる。取材開始希望日の2、3日前に現地入りして、PCR検査を受けるのは選手と同じ。検査結果が出るまではホテルの部屋で隔離される。

 陰性の報道陣には取材証が与えられるが、大会期間中はバブルから出ることはできずに、食事も大会主催者が用意したものを指定の場所で食べなくてはならない。もちろんウーバーイーツなどで好きな料理を頼むことも禁じられている。

 報道陣はアリーナ内で練習と大会を取材することができるが、大会期間中は選手やコーチとは接触できない。インタビューはズームを使ったリモートで行われる。

スケートアメリカの「バブル会場」となるオーリンズ・アリーナは八村塁が大学時代に試合をしたことのあるアリーナ(三尾圭撮影)
スケートアメリカの「バブル会場」となるオーリンズ・アリーナは八村塁が大学時代に試合をしたことのあるアリーナ(三尾圭撮影)

 バブル・システムを導入しなかったMLBやNFLでは新型コロナウイルスに感染した選手が多数出て、試合が延期されるなどの影響が出たが、バブル・システムは感染のリスクを極力抑えられる。

 ラスベガスでは今月末にボクシングの井上尚弥の防衛戦が行われるが、こちらもバブル・システムで開催される。