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内藤大助が田中恒成を絶賛「打ち合いもアウトボクシングもできる万能な選手」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
全てスタッフ撮影

大晦日、大田区総合体育館でWBO世界フライ級タイトルマッチが行われる。

3度目の防衛戦となるチャンピオンの田中恒成(24=畑中)が、同級12位のウラン・トロハツ(26=中国)を挑戦者として迎え戦う。

当日は同じリング上で、WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(30=Reson大貴)の初防衛戦、吉田実代(31=EBISU K's BOX)の世界戦も行われる。

この試合の解説を行う元WBC世界フライ級王者の内藤大助氏(45)に試合の見所を聞いた。

内藤大助が語る田中恒成

内藤氏は、田中の過去の試合を見ながら彼の強さについて語ってくれた。

解説したのは2019年の8月に行われたジョナサン・ゴンサレス(28=プエルトリコ)戦だ。

田中の動きを見て「冷静でボディがいい」「リズムをとるボクシングで、上下の打ち分けがいい」と話した。

また、右の連打のコンビネーションを見て「右の三連打なんて普通は打てない」と田中のポテンシャルを絶賛した。

最後に田中のボクシングの特徴として「ボディ打ちの上手さ」を挙げた。

顔でのKOに比べ、ボディでのKOは地獄の苦しみと言われている。

特に前半に打たれたボディは、後半になるにつれジワジワとダメージが蓄積されていく。

ゴンザレス戦でも、田中のボディ打ちがKOにつながった。

内藤氏も「田中のボディ打ちがコツコツと決まり満期を迎えた」と表現していた。

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3度目の防衛戦

大晦日の防衛戦について、内藤氏の見解を聞いた。

ーーーどういう展開を期待しますか?

内藤:チャレンジャーがガンガン仕掛けていく、それを迎え打つチャンピオンという展開ですね。

ーーー田中選手の特徴について教えてください。

内藤:オールマイティーですね。打ち合いもアウトボクシングもできて、万能な選手というイメージです。

ーーー弱点については?

内藤:ガードが高くないため、低いところから崩される可能性があります。

ーーー内藤さんが戦うとしたら、どのように戦いますか?

内藤:まともに戦っても敵わないでしょう。変則的なボクシングでパンチを当てていきます。

そういうタイプとは、戦ったことはないと思うのでそれを活かして戦います。

ーーー今回の試合の見どころを教えてください。

内藤:相手は体も大きく丈夫で気が強いので、田中選手がそれを迎え撃つ展開になでしょう。

下がるか、打ち合うか。攻撃力があるので面白い試合になると思います。

筆者(木村悠)とツーショット
筆者(木村悠)とツーショット

KO決着について

試合の予想については「田中選手のKO勝利あると思います!」

KOに繋がるのは田中選手の「撃ち合いの中でのカウンター」と話した。

田中はスピードを武器としているので、相手の打ち終わりの隙にカウンターを打ち込むことができる。

加えて、階級を上げたことで力強さが増している。どの様なパンチでも、相手をKOできるだろう。

中部地域を中心に活動してきた田中は、東京での試合は5年ぶりで、世界王者としてリングに立つのは初めてとなる。

全国区を目指す田中としたら、関東のボクシングファンにもアピールしたいところだ。

今回の田中恒成の試合は、動画配信サービスParavi(パラビ)で17時頃から独占LIVE配信される。

現地観戦からテレビへ、テレビからネットやスマホへ。時代と共にボクシングの楽しみ方は広がっている。

若い世代には、場所を選ばずにスポーツ観戦を楽しめるネット観戦が人気だ。

2019年を締めくくる、日本人選手の活躍に期待したい。

(c)TBS 提供
(c)TBS 提供
元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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