[ロンドン発]IHS マークイットは25日、世界の実質国内総生産(GDP)は今年の成長率を5.7%と0.4%ポイント上方修正しました。コロナ危機の落ち込みから回復し、1973年以来最大の成長率になります。アメリカと世界の実質GDPは第2四半期に新たなピークに達する見通しです。

IHSマークイット・グローバルエコノミクスのエグゼクティブディレクター、サラ・ジョンソン氏によると、世界の実質GDPは昨年3.5%縮小した後、今年は5.7%成長すると予測。成長は2022年4.5%と続き、23年には3.1%に落ち着きます。今年の成長率予測は0.4%ポイント、22年は0.2%ポイント上方修正されました。

「コロナの大流行でインドの成長率が大幅に鈍化したものの、北米、欧州、中国は好調だ。ワクチン接種が進むアメリカやイギリスでは新規感染者数(7日間平均)は1月以降、それぞれ88%、97%も減った。経済の再開で人の移動も元に戻り、個人消費は予想よりも回復力があることが証明され、サービス部門が急速に勢いを増している」

「米経済は世界経済回復の牽引役。昨年3.5%縮小した後、今年は個人消費、住宅投資、事務機器投資の拡大に引っ張られ、6.7%になるだろう。来年半ばに雇用はコロナ前のピークに達し、失業率は23年半ばまでに3.5%に低下する。完全雇用に達して成長率は22年に4.7%、23年には1.9%に落ち着く。これにジョー・バイデン米大統領の4兆ドル支出が加わる」

「景気の二番底を打った後、ユーロ圏の見通しは改善。 昨年第4四半期と今年第1四半期の後退の後、ワクチン接種で新たな感染が減少し、第2四半期から回復し始めている。アメリカと同じように昨年はロックダウン(都市封鎖)により貯蓄が急増、家計は平均して良好な状態だ。今年4.4%、来年早々にはコロナ前のピークに達して4.3%成長する見通しだ」

「中国の景気拡大は供給主導だが、内需が追いつくだろう。今年第1四半期の実質GDPは前年同期比の18.3%。19年第1四半期に比べても10.3%増。工業生産とサービスの成長率は設備投資と小売りの伸びを上回っている。しかし消費者需要の回復は遅れ、貯蓄は通常よりも高いままだ。供給の急速な回復が消費者物価の上昇を抑制している」

「コロナの津波はインド経済を直撃した。変異株は毒性が高く、致命的だ。ワクチン不足は接種を停滞させ、政府は輸出を一時停止した。全国的なロックダウンのため 第2四半期の実質GDPは前四半期に比べ10%減少する。第2波が和らいだ後も労働市場と家計に打撃を与える。実質GDPは昨年8.2%縮小した後、今年7.7%、来年は6.7%に回復する見通し」

ワクチンの接種が遅れる日本の成長力は今年2.6%、来年2.1%、23年1.2%と非常に弱いものになっています。

(おわり)