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日本人記者が韓国代表クリンスマン監督の契約内容をXで暴露?“衝撃内容”の真偽に現地メディアは大騒ぎ

金明昱スポーツライター
アジアカップ4強で敗退した韓国代表。クリンスマン監督は続投を明言したが…(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

 ある日本人のスポーツ記者の「X」の投稿が韓国で大バズリしている。

 スポーツニッポンの垣内一之記者の投稿(ポスト)は、大韓サッカー協会(KFA)関係者が明かしたという韓国代表のクリンスマン監督の契約内容。その真偽は正式に確認されたものではないが、自身の肩書きを出して公表するということは、ある程度、信ぴょう性のある情報なのかもしれない。

 アジアカップの準決勝でヨルダンに0-2で敗れた韓国。FIFAランキングで87位と格下を相手に、試合内容で完敗だったことへの批判の矛先は、クリンスマン監督に向けられている。

 もちろん、出ている話は「解任論」。ギリギリのところで勝利する「ゾンビサッカー」や「無戦術サッカー」と揶揄され、非難が相次いでいる。

 しかし、ヨルダン戦後にクリンスマン監督は「チームとともに韓国に戻って今大会を分析しないといけない。協会と今大会のいいところ、成功した点などを論議する時間が必要だ」と語り、辞任せず続けて指揮をとると断言した。

 韓国メディアでも同記者の「X」を引用して報じる内容の見出しが目立つ。

「4強に進んだクリンスマン、解任するなら違約金が莫大にかかる…日本のベテラン記者が“衝撃の主張”」(エックススポーツニュース)

「クリンスマンの解任は難しい?日本で提起された契約条件」(デイリーアン)

「クリンスマン解任?もし8強で敗退していれば…日本スポーツ記者の主張」(YTN)

「4強が最低ノルマで、8強敗退なら違約金なしで解任できた」、「違約金はかなり高い」という内容の真偽は定かではなく、これについてKFAからは正式なコメントは今のところはない。

クリンスマン監督の年俸は2億9000万円?

 クリンスマン監督の契約期間は2026年北中米ワールドカップ(W杯)終了までで、まだ約2年6カ月は残っている。気になる契約金と違約金がどれほどの額になるのかだが、「イーデイリー」がこう報じている。

「クリンスマン監督の具体的な契約条件は公式に明らかにされていない。年俸は(非公開だが)約29億ウォン(2億9000万円)になると言われている。2022年カタールW杯でベスト16入りを果たしたパウロ・ベント監督の年俸は約18億ウォン(1億8000万円)だったのを考えると10億ウォン(1億円)以上も多い」

 また、記事では「監督が自ら辞任すると言えば、違約金は発生しない。反対に通常は契約期間が残っている監督を解任した場合、協会やクラブは違約金を支払う」とも説明している。

 つまり、辞任しないと断言したクリンスマン監督を解任すれば、間違いなく違約金が発生する状況と見ていいだろう。そう簡単に解任に踏み切れない理由があるとすれば、違約金の大きさだ。

解任による違約金は10億円以上?

「イーデイリー」は「契約期間が2年6カ月も残っている。今後、大韓サッカー協会が支払う残りの年俸は、単純計算でもおおよそ72億ウォン(7億2000万円)以上になる。ここにクリンスマン監督が連れてきたコーチングスタッフへの違約金を含めれば、100億ウォン(10億円)を超えるだろう」と報じている。

 KFAと監督の間で交わされた契約内容が定かではないが、日本から発信された情報に、現地メディアは振り回されている感も否めない。

 それだけアジアカップで韓国代表が4強で敗退したショックが大きいだろうが、これから続くW杯アジア2次予選はクリンスマン政権下で戦うのはほぼ決まったようなもの。今は敗因を分析し、前に進むことに注力したほうが賢明な気もする。収まりが見られない韓国内でのクリンスマン“解任論”――。今後どのような展開になるのかを注視したい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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