「プレミア12」決勝で韓国はなぜ侍ジャパンを相手に“日本キラー”を登板させなかったのか?

「プレミア12」決勝戦で登板しなかった“日本キラー”キム・グァンヒョン(写真:ロイター/アフロ)

 17日に行われた「プレミア12」決勝戦は因縁の日韓戦。試合は日本が韓国に5-3で勝利し、2009年の第2回WBCで韓国を下して以来、10年ぶりの国際大会での優勝だった。

 前回大会の「プレミア12」準決勝で敗れた宿敵を相手にリベンジを果たした形だ。

 一方、韓国にとっては、同大会2連覇を阻止されただけでなく、ライバル日本に敗れたことで悔しさはより大きなものとなっている。

 一般紙「ソウル新聞」は「東京五輪出場という快挙を成し遂げたが、越えなければならないライバルの日本に勝てなかったことは課題に残った」と伝えた。

 さらに同紙は「ベテランの不振は振り返らなければならない。これまでイ・スンヨプとキム・テギュン、イ・デホが歴史を作り出した4番打者の座を譲り受けたパク・ビョンホ(キウム・ヒーローズ)は終始、不振だった。決勝戦では4打数、無安打でチームを救う特命を果たせなかった」と、4番の力を出し切れなかったことが敗因の一つだと報じていた。

 パクはメジャーリーグを経験し、韓国リーグでは2012年から4年連続で本塁打王と打点王のタイトルを獲得。今シーズンも33本塁打を打っており、期待値が大きかっただけにパク自身も残念な結果だったに違いない。

“日本キラー”の不振

 さらにもう一人、決勝戦後にクローズアップされていた選手がいた。“日本キラー”と呼ばれた左腕のキム・グァンヒョン(SKワイバーンズ)だ。

 オーバースローから、ストレートと縦に鋭く落ちる高速スライダーを武器にする本格派投手。最速で155キロ。カーブやチェンジアップも投げることができ、これまで日本を苦しめてきた韓国を代表するピッチャーだ。

 2008年北京五輪で日本を相手に2度先発として登板し、金メダル獲得の原動力となり、いつしか“日本キラー”の異名がついた。

 しかし、09年のWBCでは日本戦に先発したが、1回途中まで投げて8失点でKOされている。15年の「プレミア12」の日本戦にも先発したが、0-5で敗れた。

 それでも今大会ではエースのヤン・ジョンヒョン(KIAタイガース)と共に、キム・グァンヒョンへの期待値は大きかった。

 日本の野球ファンの多くが記憶している選手の一人だと思うが、決勝戦の日本を相手に登板しなかったのだ。

 その予兆はあった。

 ZOZOマリンスタジアムで行われたスーパーラウンドで、韓国は台湾に0-7で敗れているが、この時の先発がキム・グァンヒョンだったのだ。

 試合後に「最悪のピッチングだった。今シーズンたくさんのイニングを投げたので力が落ちているのは事実だ」と、疲労がたまっていることを正直に吐露していた。

 そんな状況でも、韓国メディアは「日本戦でキム・グァンヒョンは登板する」と予想していたが、最後まで姿を見せることはなかった。

 総合ニュースサイト「マイデイリー」は、決勝戦後にキム・グァンヒョンを直撃。キムはこう答えている。

「監督に疲れていると伝えた。重要な状況になれば出場しなければならないと考えていたが、監督が管理してくれた。どうしても試合が続き、結果がよくなかった。自分にとっても悔しい大会になった」

 やはり調子を落としていたことが登板しなかった理由だった。日本の打線を抑える姿を見たかった韓国ファンも多かったようだが、実現はならなかった。

来年はメジャーリーグ行き?

 それでも今シーズン、韓国リーグでは31試合に登板して17勝6敗と実力を示しており、今もなお韓国を代表するピッチャーであることに変わりはない。

 そんな彼はメジャーリーグ進出を夢見ており、スポーツ・芸能ニュースサイト「OSEN」によれば「(メジャーか国内か)今月19日か20日には結論が出る」と伝えている。

 キム・グァンヒョンも「帰国後にチームと話し合う。決まった話はまだない」と語っているが、すでに気持ちはアメリカに向いているようだ。

 31歳でのメジャーリーグ挑戦となるか、国内に残るか――。“日本キラー”の今後の動向に注目したい。