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「ブギウギ」趣里も菊地凛子も草彅剛にも変化が。なつかしの第1話のシーンは新たに撮り直したものだった

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
「ブギウギ」より「東京ブギウギ」を披露するスズ子(趣里) 写真提供:NHK

再撮では2番までフルで歌っている

朝ドラこと連続テレビ小説「ブギウギ」、第19週第91回では、なつかしの第1回で放送したエピソードに繋がった。

第1話の冒頭、スズ子(趣里)が楽屋で赤ん坊を愛でていると、羽鳥(草彅剛)が迎えに来るという場面。茨田りつ子(菊地凛子)が赤ん坊を預かって、スズ子はステージで「東京ブギウギ」を歌い踊る。このシーンは、今回、もう一度改めて撮影したと、制作統括の福岡利武チーフプロデューサーは語った。

「最初に撮ったものと、今まで積み重ねてきたうえで撮ったものとが少し違って見えても面白いのではないかという意図もありまして。ステージのシーンももちろん新しく撮っております。今度は2番までフルで歌っております」

たしかに、まず赤ちゃんの髪型が全然違う(今見返すと、赤ちゃんの前髪がものすごく派手)。そして、趣里さん、菊地さん、草彅さんの表情も微妙に違うような、気がする。

茨田りつ子の表情がだいぶ変わっている

「皆さん、その場で感じたことを大事に演じていらっしゃるので、長いこと『ブギウギ』に携わってきた今、演じると感じることが違ったのではないでしょうか。草彅さんも『同じにやらなくてもいいですよね』とおっしゃっていました。僕が印象に残ったのは、菊地さん。初回のときより表情がとても柔らかくなっていると感じました」

福岡CPの言うとおり、茨田りつ子の表情がだいぶ変わっている。初回の彼女は、スズ子と話しているとき、一瞬笑うのだが、再撮では、笑っている時間が長い。そして、「ズキズキワクワク」がわからないと言っているときの口調にも、スズ子への親愛の情を感じる。

第1回では、茨田には、この人は何者? というミステリアス感は先の楽しみがあって興味深かった。そして長い放送期間中、スズ子とりつ子の関係性が構築されたところを視聴者は見てきた。だからこそ、今回のりつ子の柔らかさを自然に受け止めることができる。

「再撮していて、『懐かしい』とか『(ここまで)長かったね』みたいな気持ちでした」と福岡CP。

これでようやく冒頭に戻って、ここからブギの女王伝説がはじまる。

「ここから先のエピソードもたくさんあります。まだまだステージは続きます。スズ子が子育てしながらステージに出て行くエピソードをはじめとして、いろいろな人達とこれから出会っていきます」

新たな登場人物もすでに発表済み。働くシングルマザーとしてのスズ子のこれからにも刮目したい。

「ブギウギ」より 写真提供:NHK
「ブギウギ」より 写真提供:NHK

連続テレビ小説「ブギウギ」
総合【毎週月曜~土曜】午前8時~8時15分 *土曜は一週間の振り返り
NHKBS【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分
NHKBSプレミアム4K【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分
【作】足立紳 櫻井剛 <オリジナル作品>
【音楽】服部隆之
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
【出演】趣里 水上恒司 / 草彅剛  菊地凛子 小雪 生瀬勝久 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【概要】大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・福来スズ子(趣里)は歌や踊りが大好きで、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団し活躍後、上京。そこで、人気作曲家・羽鳥善一(草彅剛)と出会い、歌手の道を歩みだす。“ブギの女王”と呼ばれた人気歌手・笠置シヅ子をモデルにした、大スター歌手への階段を駆け上がる物語。

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

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