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チーム合流後に感染か? フレディ・フリーマンの感染ケースが他選手に与えそうな更なる不安

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
発熱、頭痛等を訴えた後に新型コロナ感染が確認されたフレディ・フリーマン選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【各チームが感染選手名を公表】

 MLBが現地時間の7月3日、サマーキャンプ開始前に実施したPCR検査の結果を発表し、選手、コーチ、チームスタッフを加えた3185人を検査したところ、19チームで計38人(選手31人、スタッフ7人)の感染者が確認された。

 感染した選手に関しては、選手の許可がない限りチームは選手名を公表できないことになっていたが、翌日になってチームを通じて感染した複数選手の名前が明らかになっている。

 その中にはヤンキースのDJ・レメイヒュー選手、ツインズのミギュエル・サノ選手、ロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手など、球界を代表する選手たちが名を連ねている。

 そうした感染した選手の中でブレーブスの主軸打者、フレディ・フリーマン選手の感染ケースが、感染に不安を抱える他選手たちに影響を及ぼすことになりそうだ

【7月2日になって高熱と悪寒等の症状を発症】

 フリーマン選手の夫人であるチェルシーさんが、インスタグラムを通じて夫の現状を説明しているのだが、7月2日になって身体の痛み、頭痛、悪寒、高熱の症状が出たため、翌日に検査を受けたところ陽性反応が出たという。

 ただチェルシーさんによれば、自粛期間中の4ヶ月間、フリーマン選手は家族と一緒に自宅待機を続けており、買い物、外食、友人との交流を控えており、新型コロナウイルスに発症した様子をまったく見せていなかったと説明している。

 このチェルシーさんの説明を裏づけるように、米メディアの報道によれば、フリーマン選手は6月29、30日にわたって受けた2回のPCR検査で陰性だったのだが、前述通り新型コロナウイルス関連の症状が出たため再検査を行ったところ、感染が確認されることになった。

 これらの事実から推測するならば、フリーマン選手はチーム活動を再開した後に新型コロナウイルスに感染し、かなり重い症状があらわれてしまったことになる。

【選手たちの不安を助長する結果に?】

 このフリーマン選手の感染ケースを、今なお不安を抱えながらキャンプに参加している他選手たちはどのように受け止めるだろうか。

 3日にエンゼルスのマイク・トラウト選手が現状の中でプレーする不安を吐露していたが、4日になってジャイアンツのバスター・ポージー捕手がトラウト選手に追随している。さらにドジャースのデビッド・プライス投手に至っては、健康上の理由から今シーズンの出場辞退を発表している。

 まずはフリーマン選手の回復状況が気になるところだが、彼の発症が他選手に暗い影を落とす結果になったような気がしてならない。

 選手たちはまさに切羽詰まった状況に置かれている。シーズンが開幕するまでに、さらに辞退者が現れても何の驚きもない。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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