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夢の日本人競演が実現! 八村塁に続き馬場雄大がNBAサマーリーグ参戦へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
八村塁選手に続きNBAサマーリーグ参戦が決まった馬場雄大選手(写真:松尾/アフロスポーツ)

【アルバルクが馬場雄大のサマーリーグ参戦を発表】

 日本バスケ界にまたまた嬉しいニュースが飛び込んできた。

 アルバルク東京は29日に公式リリースを出し、今月NBAマーベリックスのミニキャンプに参加していた馬場雄大選手が、同チームの一員としてサマーリーグに参戦することを発表した。

 馬場選手は再渡米し、7月1日から始まるサマーリーグに備えたトレーニングキャンプに参加する予定だという。

 すでにサマーリーグには、日本人初のドラフト1巡目指名を受けた八村塁選手がウィザーズの一員として参戦することが決まっており、2人の日本人選手が夢の舞台に立つことになった。

【八村との直接対決はなし】

 そこで気になるのが、サマーリーグで馬場選手と八村選手の直接対決があるのかだが、残念ながら現在発表されている試合日程では、マーベリックスとウィザーズが直接対戦することはない。マーベッリックスの日程は以下の通りだ(日時は現地時間)。

5日 ネッツ戦

6日 ロケッツ戦

8日 キングス戦

10日 クロアチア代表戦

 ただし通常日程を終えた後、成績上位8チームによる決勝トーナメントが実施されるので、そこで直接対決が実現する可能性は残されている。

【中学バスケ部の先輩と後輩】

 すでにバスケファンの間では有名なことだが、馬場選手と八村選手は中学時代から固い絆で結ばれている。

 2人はともに富山市立奥田中学バスケ部出身だ。八村選手が中学1年で勧誘され、監督の指示のままNBAを目指しバスケ人生をスタートさせたことですっかり有名になったが、その時3年でエースとして活躍していたのが馬場選手だった。

 馬場選手は中学卒業後、元バスケ日本代表の父が監督を務める富山第一高校に進学。高校1年からU-16日本代表に選出されるなど、逸材として注目されてきた。

 さらに筑波大に進学すると、1年から主力として活躍し、インカレ3連覇を達成するなど、筑波大の黄金期を牽引。大学4年時にアルバルク東京入りし、プロの世界に飛び込んでいる。

 今や八村選手同様、日本代表に欠かすことのできない若きエースの1人だ。

【八村とは違ったかたちでNBAを目指す】

 後輩の八村選手が名門の明成高校でウィンターカップ3連覇を達成するなど、華々しい経歴をひっさげゴンザガ大に進学。ずっとNBAに最も近い選手として注目を集める中、実は馬場選手も、ずっと将来的なNBA挑戦を公言し続けていた。

 これまでNBAに挑戦してきた田臥勇太選手、富樫勇樹選手、渡邉雄太選手らが高校、大学から米国に渡って武者修業してきたが、馬場選手はあくまで自分なりの道でNBAに辿り着こうと模索してきた。

 その最初のチャレンジが今回のミニキャンプ参加だった。それを自らの力でものにすることに成功したのだ。

【次なる目標は開幕前のトレーニングキャンプ参加】

 サマーリーグは、まさにNBAを目指す若手選手の登竜門だ。八村選手のようなドラフト指名選手のみならず、世界中の若手有望選手が集結する。その中で活躍を認められた選手だけが、次のステップに進むことができる。

 サマーリーグはNBA全チームのフロント陣が集結し、自分のチームの試合のみならず、あらゆる人材に目を光らせている。そして来シーズン開幕に向けたトレーニングキャンプに参加させる選手を選定していくのだ。

 田臥選手も元々はマーベッリックスの一員としてサマーリーグに参戦したが、トレーニングキャンプに招集されたのはナゲッツだった。また昨年ネッツの一員としてサマーリーグに参戦した渡邊選手も、ネッツではなくグリズリーズから2ウェイ契約のオファーを受けている。

 まずはサマーリーグの4試合で、どれだけ馬場選手のプレーをアピールできるかにかかっている。アルバルクは今後も馬場選手の海外挑戦を支援していくとしており、上手くいけばこの秋にも、どこかのチームのトレーニングキャンプに参加しているかもしれない。

 馬場選手が彼なりの道でNBAに辿り着いたとしたら、八村選手とは別のかたちで若い選手たちに大きな夢を与えることになるだろう。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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