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飛ぶボールの影響大?! ツインズが今季2度目の1試合8本塁打でMLBシーズン記録に並ぶ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
今季2度目の1試合8本塁打を記録しエンゼルスに完勝したツインズ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【ツインズがエンゼルス戦で今季2度目の1試合8本塁打を達成】

 現在ア・リーグ中地区首位を走るツインズだが、今シーズンはその重量打線が際立っている。

 23日のエンゼルス戦では相手投手陣を手玉にとり、17安打16得点の猛攻で完勝。またこの試合で今シーズン2度目の8本塁打を記録し、MLBシーズン記憶に並んだ。

 これまで2005年にレンジャーズがシーズン2度の1試合8本塁打を記録しているが、まだシーズンは開幕したばかり。記録更新も夢ではない状況だ。

【すでに4選手が二桁本塁打を記録!チーム本塁打数はMLBトップ】

 今シーズンのツインズの本塁打量産体制は、明らかに他チームを圧倒し始めている。

 5月23日現在で、チーム本塁打数98本はMLBトップにランク。現状のペースで本塁打を打ち続けるとなると、シーズン終了時点で324本の計算になる。これは、ヤンキースが昨シーズン樹立したシーズン最多本塁打記録の267本を凌ぐことになる。

 ちなみに昨シーズンのツインズのチーム本塁打数は166本でMLB23位。今シーズンはCJ・クロン選手など長距離打者が加わったことも影響しているが、今シーズンのツインズの特長は、特定の選手だけでなく、多くの選手が本塁打を量産していることだ。

 現時点でエディ・ロサリオ選手の14本塁打を筆頭に、すでに4選手が二桁本塁打を記録。さらに5本塁打以上となると9選手が名を連ねている。中でも昨シーズンは6本塁打だったホルヘ・ポランコ選手がすでに9本塁打を記録。チーム全体で本塁打数を伸ばしているのが理解できるだろう。

 こちらも先が長い話ではあるが、1シーズン20本塁打以上8選手というMLB記録更新も狙えそうな勢いだ。

【MLB本塁打率は過去最高の1.31本】

 ただ本塁打量産体制はツインズに限ったことではない。すでに本欄でも指摘しているが、2年前からMLBでは選手たちの間で“飛ぶボール”疑惑が叫ばれているが、今シーズンはさらにその傾向を強めている。

 ここまでのMLB全体の本塁打率は1.31本で、過去最高だった2106年の1.26本を上回るペースで推移している。2年ぶりの年間6000本塁打突破はほぼ確実な状況だ。

 こうしたリーグ全体の本塁打量産傾向が強まる中で、果たして今シーズンのツインズはどこまで本塁打を量産していくのだろうか。記録更新も含め、今後も目が離せないチームになりそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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