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1年を通して大阪にバスケを! 3x3バスケに参入したエヴェッサの地域密着チームとしての思い

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
公開練習後にブースターと記念撮影するエヴェッサ3x3チームの選手たち(筆者撮影)

【エヴェッサが新規参入3x3チームの練習を公開】

 今シーズンから3x3バスケに参入した大阪エヴェッサが22日に公開練習を実施し、平日にもかかわらず、熱心なブースター約40人が新規チームの応援に駆けつけた。

 チームの正式名称は『EVESSA.EXE』。エヴェッサ所属の今野翔太選手がGMを兼任し、現場の責任者を務める。25日にシーズン開幕戦を迎え(リーグ自体はすで開幕)、8月まで熱戦を繰り広げる予定だ。

 公開練習はコートを取り囲むように見学席が設けられ、あらゆる角度からブースターが練習を見学できるようにしていた。彼らに少しでも3x3バスケの雰囲気を味わってもらおうと考えた、エヴェッサ側の配慮だった。

【3x3バスケ参入は今野翔太の考えにチームが賛同し実現】

 今回エヴェッサが3x3バスケに参入することになったのは、今野選手がきっかけだった。彼は昨シーズンも『GERA OSAKA』のチーム代表として、3x3バスケに参加していた。その際に3x3バスケにも多くのエヴェッサ・ブースターが応援に駆けつけてくれたのを目撃したことで、今野選手に1つの考えが芽生えていた。

 「GERAを経験し、チームも良くて選手も頑張ってくれたんですけど、大阪のチームとしてエヴェッサがあるので、(3x3も)エヴェッサがやるべきなんじゃないかなと思い出して、チームに対し打診したのがきっかけです。

僕もエヴェッサで長いことプレーさせてもらっているので、やはりエヴェッサが盛り上がるのが一番嬉しい。そうなった時に3x3もエヴェッサがやるべきだと思ったし、僕もエヴェッサのために何でもしたいという思いでやってます」

 この今野選手の考えに、チームも全面的に賛同。大阪を拠点にするチームとして地元の人たちに1年を通してバスケを楽しんでもらえる環境を創出することを目的に、3x3バスケ参入を決定した。

公開練習は公式戦ユニフォームを使用して行われた(筆者撮影)
公開練習は公式戦ユニフォームを使用して行われた(筆者撮影)

【現役Bリーガー4選手はすべてエヴェッサ縁の選手】

 チーム編成は今野選手が担当。開幕に臨む6選手の内4選手が現役Bリーガーだ。チームとの話し合いの中で「現在エヴェッサに所属する選手か、元エヴェッサの選手というコンセプト」(今野選手)の下、声をかけた選手たちだ。

 「波多野(和也)選手もハッシー(橋本尚明選手)もエヴェッサで人気選手だったので、3x3で戻ってきたとしてもエヴェッサのブースターの人たちがすごく喜んでくれるんじゃないかと思い、ピンと来ました」

 そこに今野選手と今シーズンまでエヴェッサに在籍した根来新之助選手、さらに3x3バスケの経験豊富な2選手を加え、“純国産”チームでシーズンに臨むことになった。

 またリーグのルールに「選手入替制度」があるため、『FIBA3x3アジアカップ2019』の日本代表に選出されている藤高宗一郎選手も、シーズン後半からチームに加わる予定だという。

【まずは9月のプレーオフ進出が目標】

 Bリーグ同様に、3x3でも強豪チームは外国人選手を加える中、敢えて純国産チームで挑むエヴェッサだが、今野選手は手応えを感じている。

 「とりあえず出だしは日本人で戦おうということになりました。まあジェイさん(波多野選手)もハッシーもハッスルできますし、ネゴ(根来選手)は得点もすごくできますし、ストリートの子たちはストリート慣れしていてめちゃくちゃ上手いので、なかなか強いと思いますよ。

 ただ他のチームもそれなりに揃えてきていますので、やってみないと分からないところはあります。一生懸命やるだけですね」

 まずは8ラウンド制の公式戦を勝ち抜き、9月に実施されるプレーオフ進出が目標になる。さらにリーグ王者になれば、世界大会への出場権も与えられる。

 3x3でもエヴェッサのユニフォームは、ほぼBリーグと変わらないデザインを使用する。今野選手が指摘するように、エヴェッサ縁の選手たちがBリーグと同じユニフォームを着て3x3のコートに立つ姿は、エヴェッサ・ブースターにとってこれ以上の喜びはないだろう。

 彼らの熱い戦いに期待したいところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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