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日本人3選手も登場! MLB公式サイトが全30チームの最長契約選手をリストアップ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
現在マリナーズ内で最長契約を結んでいる菊池雄星投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【MLB公式サイトがユニークな記事を公開】

 MLB公式サイトが現地12日付けで、ユニークな記事を公開した。ウィル・レイチ記者がまとめた記事のタイトルは『Who's under contract the longest for each team?』。各チームで最も長期間の契約を結んでいる選手を紹介している。

 今オフのFA市場で最大の目玉だったマニー・マチャド選手、ブライス・ハーパー選手がそれぞれ、10年、13年という長期契約を結び注目を集めていただけに、かなりタイムリーな話題といえるだろう。

【チーム内の最長契約選手でいる意味とは?】

 読者の中には各チームの最長契約選手をリストアップすることに、何の意味があるのかと不思議に思う方もいるかもしれない。だが今回マチャド選手を獲得したパドレス、ハーパー選手を獲得したフィリーズは、まさにチームの将来を彼らに託したからこそMLB史上最高額を彼らに保証したのだ。

 つまりこの記事で名を連ねている選手たちは、将来を見据えた各チームの編成プランの中でコアをなす存在になっているということだ。もちろん契約満了の前にトレードされる可能性もないわけではないが、どこに移籍しようとも選手の契約は保証されるので、獲得するチームもその選手をチームの中心選手にしたいと考えているからこそのトレードなのだ。

【最長契約選手に名を連ねている日本人3選手は?】

 そして注目すべき点は、このリストに日本人が3選手名を連ねているということだ。それだけMLB球界でも日本人選手の価値の高さを示す指標の1つではないだろうか。

 残念ながらFA扱いされずMLB入りした大谷翔平選手はシーズン2年目で単年契約に留まっているが、今シーズンの活躍次第では早い時期に長期契約延長のオファーを受ける可能性もあり、近い将来このリストに登場することになるかもしれない(マイク・トラウト選手との兼ね合いもあるが…)。

 日本人3選手は以下の通りだ。

 ●ダルビッシュ有投手

 現在カブスで2023年まで契約が保証されているのは、ジェイソン・ヘイワード選手とダルビッシュ投手のみだ。昨年カブス入りした時点で、長期にわたりローテーションの軸になることを期待されていたが、それは現在も変わっていない。

 今シーズンもジョンレスター投手とコール・ハメルズ投手と35歳のベテラン2人が主軸として回る状況であり、チームとしては是が非でもダルビッシュ投手の復活を期待しているところだ。

 ●菊池雄星投手

 現在のマリナーズで2022年まで契約が保証されているのは菊池投手しかいない。また彼は2023年の契約オプション権を有しているので、ある意味2023年まで保証されているといっていいだろう。

 今オフに大胆なチーム改革に乗り出し、主力選手を次々に放出したことで若手主体のチームに生まれ変わった。その中で菊池投手が最長契約選手になったということは、今後数年間は菊池投手がローテーションの軸の1人になって欲しいという期待の表れでしかない。

 ●前田健太投手

 スター選手が揃うドジャースの中で前田投手が最長契約選手になったことを意外に思う人もいるだろうが、前田投手だけが2023年まで契約が保証されている。ただ彼の場合、ちょっと特殊なケースなのだ。

 前田投手はポスティング制度を使ってのMLB入りであり、ドジャースは前田投手との契約の他に広島に入札金を支払っている。その上でアンドリュー・フリーマン編成担当球団社長は「コストパフォーマンスの上でオプション無しの8年契約が必要だった」と説明している。またフィジカルで見つかった右ひじの異常もあり、年俸平均額も312万5000ドル(約3億4000万円)に抑えられている。

【元巨人マイコラスもリスト入り!MLB全体で最長は…】

 これら3選手以外で日本でお馴染みなところでは、元巨人のニコラス・マイコラス投手が今オフに契約延長に合意し、カージナルスではポール・ディジョン選手ともに2023年まで契約が保証される選手になっている。

 ちなみに現在MLBで最長契約を保証されている選手は当然のごとく、2031年まで保証されているハーパー選手だ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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