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ヤンキース球団社長がトランプ政権入り? 米TV局が次期首席補佐官候補の1人と報道

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
2000年からヤンキース球団社長を務めるランディ・レビン氏(左)(写真:ロイター/アフロ)

 米ニュース専門ケーブルTV局のMSNBCは現地10日、年内中の退任が決定的なジョン・ケリー首席補佐官に代わる後任候補の1人として、ヤンキースで球団社長を務めるランディ・レビン氏の名前が挙がっていると報じた。

 レビン氏は2000年にヤンキース球団社長に就任し、以来ずっと同職を任されてきた。かつて2006年オフに井川慶投手がヤンキース入りした際も入団会見に同席しており、日本でもその存在が知られてきたのではないだろうか。

 実は球団社長就任前のレビン氏は、長年政界畑を歩んできた人物だ。ロナルド・レーガン大統領時代に司法省で副司法次官(1988年に辞任)を務めたのを皮切りに、1994年から2年間ニューヨーク市の労務委員長、さらに1997年から球団社長に就任するまで同じくニューヨーク市で経済担当副市長を歴任してきた。この間野球界とも関係を持ち、1996年には選手会との労使協定協議に担当するMLB側の首席交渉人を務めた過去を持つ。

 さらに球団社長就任後も、2008年に故ジョン・マケイン氏が大統領選に出馬した際は選挙資金の寄付者に名を連ね、また昨年は長年支援してきたトランプ大統領の税制改革案に疑問を呈する記事をニューヨークの地元紙に寄稿するなど、現在も政治的な活動を続けていた。

 MSNBCの報道を受けスポーツ界のみならず政界からも注目を集めることになり、大手メディアもその真偽を確かめるためにレビン氏に確認したようだが、本人は真っ向から否定しているようだ。FOXニュースが報じたところでは、レビン氏は以下のように話している。

 「自分は首席補佐官人事について誰とも話したことはない。自分は大統領に対し多大な敬意を抱いているが、ヤンキースの球団社長という職に大変満足している」

 確かにMSNBCも候補6人の中の1人として名を挙げているものの、あくまでレビン氏は“ワイルドカード(この場合はダークホース的な意味)”としており、決して有力候補に推しているわけではないようだ。

 すでにトランプ大統領はケリー首席補佐官の年内退任を明言しており、近々後任人事が発表される見込みだ。果たしてレビン氏の行方はどうなるのか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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