アストロズ戦で大谷翔平がみせつけたMLB球界での希少価値度

アストロズ戦の登板で新たに2つの“エリート・グループ”に加わった大谷翔平選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 24日のアストロズ戦に先発した大谷翔平選手。勝利投手の権利を残し6回途中で降板したものの後続の投手が打たれてしまい今季3勝目を掴むことができなかった。

 投球内容は5回1/3を投げ、6安打4失点7三振5四球とずば抜けた成績ではなかったが、ツイッターで132万人以上のフォロワーを抱えるESPNのバスター・オルニー記者は「オオタニの投球云々よりも、アストロズの打線の凄さを考えるべきだ。その打線相手にある程度の投球ができていたと思う」と評価している。

 実はオルニー氏のみならず、この日の投球について好評価を与えている人たちが存在する。実は大谷選手はアストロズ戦の登板で、MLBでも数人しか達成してない、2つの“エリート・グループ”に名を連ねることになったのだ。

 まず1つが球速だ。すでに日本でも報じられている通り、5回裏にジョッシュ・レディック選手と対戦した場面で、この日最速の101マイル(約162.5キロ)を2度計測したのだが、これで早くもMLB屈指の速球派先発投手の仲間入りをしたのだ。

 MLB公式サイトでデータ解析『Statscast』を担当しているデビッド・アドラー記者によれば、投球解析が始まった2008年以降で1試合に球速101マイル以上の球速を複数回計測した先発投手は、今回の大谷選手が史上7人目なのだという。残りはアービン・サンタナ投手、ジャスティン・バーランダー投手、アンドリュー・キャシュナー投手、ヨルダノ・ベンチュラ投手、ネーサン・イオバルディ投手、ノア・シンダーガード投手のみ。今やパワー投手全盛のMLBだが、それでも真の速球派となるとまだ数える程度しか存在していない。その中に大谷選手が加わったのだ。

 それだけではない。アストロズ戦で昨年MVPを受賞したホゼ・アルトゥーベ選手と対戦し、2三振を奪っている。大谷選手は先の4月4日のインディアンス戦で、昨年サイヤング賞に輝いたコーリー・クルバー投手から本塁打を放っており、前年のMVP選手から三振を奪い、サイヤング賞投手から本塁打を放つという離れ業を成し遂げた史上5人目の選手になったのだ。

 過去に達成しているのは1969年のクレイ・キャロル投手、1970年のメル・ストットルマイヤー投手、1999年のリバン・ヘルナンデス投手、2015年のマディソン・バムガーナー投手──の4人だ。MLBサイヤング賞が誕生したのが1956年のこと。それ以降大谷選手を含めて5人しか存在していないのだから、どれほど希少価値の高い記録かが解るだろう。

 元々米メディアや米国民はスポーツの記録ものに対する関心が非常に高い。大谷選手が出場する度にこうした“エリート・グループ”に名を連ねていくということは、さらに米国で彼の希少価値が高まり、ますます注目を集める存在になることを意味している。

 マイク・ソーシア監督が25日に説明したところでは、懸念されていた右手中指のマメはタコになったらしく、当面は投球への支障がなくなったようだ。5月以降も二刀流でフル回転していければ、米国での大谷人気は揺るぎないものになっていくのかもしれない。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

有料ニュースの定期購読

菊地慶剛の“本音”取材レポートサンプル記事
月額540円(初月無料)
月3、4回程度
22年間のMLB取材に携わってきたスポーツライターが、今年から本格的に取材開始した日本プロ野球の実情をMLBと比較検討しながらレポートします。

Facebookコメント

表示

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。

<クリエイター×動画>で、あなたの明日にワクワクを

Yahoo!ニュース個人編集部ピックアップ