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早くもBリーグで頭角を現す現役大学生・馬場雄大に期待がかかる“日本人初”

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
すでに日本代表でも主力選手として活躍している馬場雄大選手(写真:松尾/アフロスポーツ)

 いよいよ18日からBリーグの公式戦が再開し、2017-18シーズンは後半戦へと突入する。

 今シーズンは現役大学生ながらリーグ参戦を決めたアルバルク東京の馬場雄大選手が注目を集めていたが、先週末開催されたオールスター戦にもファン投票で最多得票数で選出されるなど、早くもトップ選手の仲間入りをしたようだ。

 残念ながら負傷のためオールスター戦は欠場を余儀なくされたが、プレーに関しても周囲の期待通り、着実にその実力を発揮し始めている。前半戦は先発出場は4試合に留まったものの主力選手の1人としてしっかり出場時間を与えられ、すでに試合を左右するようなプレーを随所に披露している。12月24日のサンロッカーズ渋谷戦も馬場選手がコートにいる時といない時で明らかにプレーに差が生じていたほどだ。

 馬場選手自身はシーズン前半戦のプレーについてどう感じているのだろうか。

 「やれるなという感覚は少しずつというか、大分出てきています。チームを引っ張るじゃないですけど、自分がボールを持った時は積極的に点数を獲りにいきたいなというのは強く思っています。

 安定感といった部分では前回の川崎戦(12月20日)であったり、まだまだだと思うんですけど、決めきるところで決めきるシュートだったりというところで、しっかり自分的には手応えを得てきているので、少しずつ監督の信頼を得ながらやっていけているなと思います。

 どうしても集中していないとターンオーバーだったりイージーなミスが増えてしまって、そこがチーム全体に影響を与えますし、チーム全体にフワッとした影響を与えるとも思っているので、気持ちの面で毎試合毎試合しっかりコンプリートするというかたちでやっていきたいです」

 馬場選手の潜在能力の高さを考えれば、前半戦のプレーはまだまだ序の口だし、ある意味物足りなさすら感じてしまう。もちろん後半戦では更なる強烈なプレーを期待したいところだろう。そもそも彼が将来的にNBA挑戦を目標に掲げている以上、最終的にはBリーグで圧倒的で唯一無二の存在にならなければならないはずだ。

 22歳の大学生とはいえ、今では馬場選手より若い有望選手たちがアーリー・エントリーで次々にNBAの門をくぐっているのが現状だ。しかもこれまでNBAに挑戦してきた田臥勇太選手は大学から、また富樫勇樹選手は高校から活躍の場を米国に移しているし、さらに八村塁選手、渡邉雄太選手らも米国の大学からNBA挑戦を目指している。日本の大学を卒業し、さらにBリーグからNBAに挑戦するということ自体、前人未踏の途方もない挑戦ともいえる。

 しかし現在Bリーグで活躍する様々な外国人選手たちが口を揃えて、Bリーグが将来的に世界屈指のリーグになるだろうと予想してくれている。もしそれが現実のものになるならば、近い将来Bリーグで大活躍する日本人選手がNBAにリクルートされる日が訪れることにもなるだろう。その先鞭をつける存在といえるのが馬場選手なのだ。

 日本のバスケ・ファンにとって馬場選手は、Bリーグの未来そのものなのかもしれない。期待値が高い分、後半戦の彼の成長ぶりを注意深く観察していきたい。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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