MLB公式サイトが大谷翔平大絶賛のコラムを掲載

MLBスカウト陣もその才能を絶賛する大谷翔平選手(写真:ロイター/アフロ)

 MLB公式サイトが18日付けで、大谷翔平選手に関する長文コラムをアップした。執筆者は同サイトでコラムニストを務めるジョナサン・マヨ記者。ベテラン記者ならではのコネクションを活用し、複数チームのスカウト部長の証言を集めながら大谷選手の才能を分析しているのだ。

 コラムのタイトルは『No two ways about it: Otani is one of a kind(意見が割れることはない。オオタニは唯一無二だ)』。二刀流は英語で“two way”と表現されるため、それを上手くもじったタイトルになっている。

 まずコラムの冒頭で、複数のスカウトと証言を元に大谷選手がMLBにもたらすインパクトは、大谷投手の二刀流について、打者においては国内的にはケン・グリフィーJr氏とアレックス・ロドリゲス氏、国際的にはミギュエル・カブレラ選手に匹敵し、投手においてはナショナルズのステフェン・ストラスバーグ投手に匹敵すると最大の賛辞を贈っている。

 その後も大谷選手の才能を絶賛していくのだが、あまりの長文のためすべての内容を紹介することはできない。そこで今回は大谷選手に関するMLBスカウト陣の生の声がなかなか日本に届くことはないので、彼らの証言のみを紹介しておきたい。MLB関係者が大谷選手にどれだけ高い関心を寄せているのかを再認識できるはずだ。

●国際スカウト部長A

 「自分はマイナー時代のグリフィー、アマチュア時代のA-Rodを見てきているが、オオタニに関する評判は、彼らやストラスバーグに近いものがある。グリフィーやA-Rodと比較して、オオタニが彼らほどの打者にまでなるとは思わないが、たがストラスバーグ(のような投手)になる可能性はある。両方(高いレベルで)やれてしまうことが本当にユニークな存在だ。

 私はこの仕事に26年間従事し、たくさんの選手たちをみてきた。しかしこれまで彼のような才能が詰まった選手を見たことがないし、まだ誰1人としてこんな選手を見たことがないはずだ。今後どんな選手になっていくのか見守りたい。

 二刀流は本当に魅力的なことだ。単純に考えれば指名打者のあるア・リーグが理想的だろう。だがナ・リーグでもしっかり戦力が整っているチームもあり、そこなら日本同様に中6日で登板させ、週2回外野で起用し、それ以外は代打で使うことができる。そうすればナ・リーグでも300~350の打席機会を与えられるだろう。

 彼は間違いなく両方できる。今後の野球を変えることになるかもしれない。もしマディソン・バムガーナーがオオタニの後に現れていたら、彼にも打つチャンスが与えられていただろう。彼は間違いなく野球の常識を覆してしまうだろう」

●国際スカウト部長B

 「彼はローテーションのトップを任せられるすべての要素を備えている。先日好投を演じた時も制球力は決して良くなかったが、それでも抑えていた。必要なすべての球種を投げられるし、23歳ながら(投球の)すべてが機能している。日本ではしっかり自分の投球ができることを見せているし、今でもすぐに向こう(MLB)でもやれるだろう。

 彼は身長が193センチあり、大きくて屈強な選手だ。バットをややコンパクトに振りながらもパワーのある打球を打つことができる。自分にとっては投手としての魅力が強いが、好打者になるチャンスも十分にある。本当に素晴らしいアスリートだ。

 投打ともに素晴らしい才能を秘めているのだから、やはり両方やらせる機会を与えるべきだろう。ただ(自分が携わった)35年間で、そんなことは一度も経験したことがなかった」

●スカウト部長C

 「まだオオタニに会ったことはないが、彼はすでに高いレベルで打てているが、まだ投球に関してはここ(MLB)で見られるような投球をしていないと思う。ただ彼に感心しているのは、本当にチャレンジを求めているらしいことだ。

 イチローが世界中の好投手たちを対戦したくてこっちに来たように、彼も同じ感情を抱き、他の選手たちが誰もやったことがないことを成し遂げたいと意欲を抱いているように見える。彼は日本で圧倒的な存在になっている。間違いなく彼は恐れを知らないのだろう。

 彼はあまりにレアケース過ぎて、我々は(投打ともに)育成していくことに慣れていない。そんな選手がいなかったからね。同時に投打を育成していくのは我々にとってもチャレンジだ。

 ただ今後は若い時期から選手たちの才能をしっかり見極めるようになっていくだろうし、来年のドラフトでも両方できる選手を意識するようになるだろう。そうやって新たな育成法が出来上がっていくのだろう」

 如何だろう。MLBスカウト達の証言から、大谷選手がどれだけMLBに衝撃をもたらす存在であるかがヒシヒシと伝わってくるだろう。

 とにかく今はシーズン終了後の大谷投手の決断を待つしかない。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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