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ジャンカルロ・スタントンがウェーバーをクリア!すでに4チーム以上が獲得に乗り出す

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
14日に球団新記録となる43号本塁打を放ったジャンカルロ・スタントン選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 14日のジャイアンツ戦で5試合連続本塁打を放ち、43本塁打という球団新記録を達成したマーリンズのジャンカルロ・スタントン選手の周辺がにわかに慌ただしくなってきた。

 『Yahoo! Sports』のジェフ・パッサン記者がアップした記事によれば、スタントン選手は8月13日にウェーバーをクリアし、他チームへのトレードが可能な状況になり、すでに最低でも4チームが獲得交渉に乗り出しているというのだ。

 後半戦に入り、打率.302、17本塁打、35打点を記録するのみならず、ここ11試合で10本塁打を放つなど、現在最も頼りになる長距離砲だけに、プレーオフ信守を目指すチームにとっては喉から手が出るほど欲しい選手であることは間違いない。マーリンズとしても何とかトレードを成立させたい意向らしく、今月中に他チームに移籍する可能性が高まっている。

 マーリンズがスタントン選手を放出したい理由は、先日デレック・ジーター氏をはじめとする投資家グループへの売却交渉が合意に達したため、新経営陣がより運営しやすい状態でチームを譲渡したい考えからだ。

 そこで大きなネックになっているのが、スタントン選手が2015年オフに結んだ13年総額3億2500万ドル(約354億円)の超大型契約だ。契約にはスタントン選手が2020年シーズン終了後に契約解除できるオプション権を有しているとはいえ、通常にいけば2028年まで2500万~3200万ドル(約27億~35億円)の年俸が保証されているのだ。長期に渡ってチームの年俸総額に影響が出る選手なだけに、新経営陣に運営面で負担を残すかたちになってしまうのだ。

 逆に大型契約を踏まえた上で獲得してくれるチームが現れれば、現在のスタントン選手の年齢(27歳)、活躍を加味すれば、かなりの有望若手選手と交換できるので、新経営陣もチーム強化に着手しやすくなるというわけだ。

 残念ながら記事にはスタントン選手に興味を示しているチーム名は明らかにされていないが、現在熾烈なプレーオフ争いを続け、打撃力アップを目指しているチームということなので、チームはかなり絞られてくるだろう。

 もしスタントン選手のトレードが成立すれば、ダルビッシュ有投手を超える今シーズン最大のトレードとなるだろう。果たしてスタントン選手はどのチームに移籍することになるのだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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