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デレック・ジーター氏らがマーリンズ買収に成功

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
遂にマーリンズの買収に成功したデレック・ジーター氏(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 シーズン開幕からチーム売却問題に揺れていたマーリンズが長期に渡る交渉の末、ようやく合意に達した。

 合意を報じているマーリンズの地元紙『Miami Herald』紙によると、合意相手はデレック・ジーター氏をはじめとする投資家グループで、合意額は12億ドル(約1兆3000億円)だということだ。すでにマーリンズからMLBに対し、売却合意の報告がなされているということだ。

 ジーター氏を中心とする投資家グループは計16人の投資家からなり、売却交渉の過程でスポーツ界随一の富豪として知られ、元NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダン氏が同グループに加わったことで話題を集めた。すでにジョーダン氏はNBAのシャーロット・ホーネッツを所有しており、今後は野球界にも進出することが決まった。

 ちなみに、かつてジョーダン氏が在籍していたシカゴ・ブルズのオーナーであるジェリー・ラインズドルフ氏も、ホワイトソックスも所有していることで有名だ。

 マーリンズの現オーナー、ジェエフリー・ロリア氏は、モントリオール・エキスポス(現ワシントン・ナショナルズ)のオーナーを務めていた2002年にマーリンズ買収に乗り出し、1億5850万ドル(現在の換算レートで約174億円)で合意に達していた(同時にエキスポスを手放したため、新オーナーが見つからず一時はMLBが管轄していた)。単純計算ながらマーリンズ売却で得たロリア氏の収益は、何と1兆2000億円をはるかに上回ることになる。

 また『USA Today』紙のボブ・ナイチンゲール氏のツイートによれば、新オーナー体制に移行後も、デビッド・サムソン球団社長、野球運営部門の最高責任者マイケル・ヒル氏は残留する方向だという。

 前述の地元紙の記事によれば、マーリンズから売却合意の報告を受けたMLBは、来週シカゴで開催されるオーナー会議で議題として討議することになるが、売却を正式認可するかどうかの投票は10月上旬まで実施しない方向のようだ。新オーナー・グループによるチーム運営がスタートできるのはあくまで正式認可を待ってからになる。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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