Yahoo!ニュース

自分の国でやれるのは嬉しい!帰ってこられるなんて思っていなかった(村田透単独インタビューその2)

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
7年ぶりに日本球界復帰を決めた村田透投手

─来年は新人選手ではなくベテラン投手の1人だと認識されていると思うか?

「自分ではまだ結果も残していないですし、ベテランとは思ってないです。過去に日本で成績を残せていたわけではないですし、アメリカでも(メジャーで)思い切りやっていたわけでもないですからね。もちろんルーキーではないですけど、(実績のない)若手くらいの気持ちでやりたいというのはあります」

─その点は自分に厳しく臨むのか?

「甘えるつもりは更々ないですし、自分がやれることをできる限りやっていきたいという気持ちだけです」

─最低限の目標はケガをせず、シーズンを通してやり遂げることに尽きるということか?

「それが一番ですし、それしかないです。それができないと自分の良さを発揮できないので」

─来年チームが2連覇を目指す上で、村田投手の存在も大きくなると思うが?

「入団会見で監督もそのような発言をされていましたけど、まずはチームが期待してくれるスポットにいられるようにすることが大事ですし、そうならないといけないでしょうしね。そう期待されているなら、そうあるべきだと自分は感じています」

─来年は米国でやってきた6年間の集大成的な部分はあるか?

「そうですね。村田透が米国でどんなことをしていたのかという、ちゃんとやっていたのを証明できる1年になるのは間違いないと思います。ただ特にどうのこうのというのはないですかね。自分は自分でしかないので、ただただチームに貢献するということしか考えてないです」

─確かに6年間でメジャー登板1試合に終わったが、その一方で本人にとっては中身の濃い6年間だったと思うが?

「自分の言葉だけでは言い表せないくらい、いろいろな経験をさせてもらいました。この6年間がなければ今の自分も絶対になかったです。野球選手としてだけでなく、人としても凄く成長させてもらった面が多かったです」

─この6年間はあらゆる面で村田投手にとってプラスになったのか?

「正直プラスしかなかったと思います」

─今回の日本球界復帰を楽しみにしている部分はあるか?

「自分にとってはチャレンジであることに変わりはないので、本当に楽しみしています。アメリカに行ったからこそ自分は日本が好きだということを再認識できましたし、自分の国でやれるというのは嬉しいことです。日本を離れて向こうに行った時に、日本に帰ってこられるなんて思っていなかったですし、ましてやこうやって誘ってもらえるなんて考えてもいなかったです。ちょっと言い方は悪いですけど、選べる立場になったというか、今回も本当にいい評価をしてもらいました」

─これから日本に戻り、日本で少しでも長く野球を続けたいのか?

「自分の中ではあと何年やりたいとかというのはなくて、短ければ短くてもいいと思っています。それよりも潰れてもいいからその1年1年をしっかりやりたいですね。来年で32歳になりますし、とにかくやり切りたいです。1年1年をやり遂げるのが自分のスタイルでもあるので、後先を考えてもプラスにはならないと思っています」

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

菊地慶剛のスポーツメディア・リテラシー

税込550円/月初月無料投稿頻度:月3、4回程度(不定期)

22年間のMLB取材に携わってきたスポーツライターが、今年から本格的に取材開始した日本プロ野球の実情をMLBと比較検討しながらレポートします。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

菊地慶剛の最近の記事