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<イスラエル-UAE国交正常化合意>を読む(1) いきなり浮上してきた和平合意の背景を探る

川上泰徳中東ジャーナリスト
イスラエルとUAEの国交正常化の合意を受けて、イスラエルで両国の国旗が掲揚された(写真:ロイター/アフロ)

 トランプ大統領が仲介したイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の国交正常化合意については「歴史的な和平合意」と評価する声と、「中東和平に逆行」という批判的な評価がある。この合意には、どのような意味や意義があり、中東和平や中東の安全保障にどのように影響するのか、世界の論評や分析をチェックしながら考えてみよう。まず、第1回は、いきなり浮上した合意の背景を探る。

◇狭い人間観関係で成立した合意

 イスラエルとUAEは、これまで非公式に治安、軍事、IT技術などの協力を進めてきたことは報道でも知られており、両国の国交正常化自体に大きな驚きはない。特筆すべきは、発表の唐突さである。イスラエルの報道によると、ネタニヤフ首相が率いる右派政党リクードと連立を組む中道政党「青と白」出身のガンツ国防相やアフケナジ外相ら主要閣僚も合意について事前に知らされていなかったと報じられている。

 合意は、トランプ大統領と、イスラエルのネタニヤフ首相とUAEのムハンマド皇太子という3人の指導者と、その側近だけで話が決まったことを意味する。側近の中で重要なのは、トランプ米大統領の娘婿で、中東和平を担当するジャレッド・クシュナー大統領上級顧問と、ムハンマド皇太子の側近で、UAEの国務大臣を兼務するユーセフ・オタイバ駐米大使である。

◇クシュナー氏とUAEの近い関係

 トランプ大統領の中東とのかかわりではサウジアラビアのムハンマド・ビンサルマン皇太子との関係が有名だが、今年英語で出版されたベンフッバード著『MBS(ムハンマド・ビンサルマン)』には、ムハンマド・サウジ皇太子をトランプ大統領につないだのはムハンマド・UAE皇太子だという記述が出てくる。同じくムハンマドという名前で紛らわしいが、サウジのムハンマド皇太子は「MBS」、UAEの皇太子は「MBZ」と通称される。

 同書によると、ムハンマドUAE皇太子は、2016年11月の選挙で当選したトランプ大統領が2017年1月に正式に就任する前の2016年12年に、オバマ政権には外交ルートを通じた連絡をしないで渡米し、ニューヨークでクシュナー氏と会い、中東和平や中東政策について自説を述べたという。その時にサウジのムハンマド皇太子の重要性も吹き込んだという。

 ムハンマドUAE皇太子がクシュナー氏と会う前に、オタイバ駐米大使は大統領選キャンペーン中からクシュナー氏と会って、中東和平や中東政策についてUAEの見方を伝え、その後も個人的な親交を深めたとされる。クシュナー氏にとって、オタイバ駐米大使は日常的に情報交換する間柄であり、ムハンマド皇太子はオタイバ駐米大使、クシュナー氏を介して、トランプ政権の中東政策に深くかかわっている。

◇西岸併合に注文をつけたトランプ政権

 今回のイスラエル・UAEの国交正常化合意は、トランプ政権で中東政策を担うクシュナー氏と、ムハンマド皇太子の側近のオタイバ駐米大使という個人的関係が背景にあった実現したものである。では、いつ、イスラエル・UAEの国交正常化合意の話は具体的に動き出したのかといえば、ネタニヤフ首相がヨルダン川西岸の30%の一方的な併合の手続きを始めるとした7月1日が、何事もなく過ぎた後である。世界は、この日に向けて、ネタニヤフ首相が西岸併合を宣言すると考え、息を凝らしていた。

 米国の親イスラエル色が強い「ワシントン近東政策研究所(WINEP)」に掲載されたデビッド・マコビスキー氏の分析によると、クシュナー氏は6月下旬からイスラエルに特使を送り、「一方的な併合ではなく、パレスチナ側に6%ほどの土地を与える」という案を働きかけたが、ネタニヤフ首相は拒否したという。つまり、ネタニヤフ首相が7月1日に西岸の併合の手続きを始めることができなかったのは、トランプ政権が併合を強行することに注文を付けていたことが大きな要因だったことを示す。

◇40日でまとまった「歴史的和平」

 

 クシュナー氏のイスラエルに派遣した特使は7月2日に米国に戻り、新たな対応策の検討が始まった。それからわずか40日後にイスラエル・UAE関係正常化合意がという「歴史的な和平」が発表されたことになる。その間、クシュナー氏はオタイバ大使と意見交換を行い、大使はムハンマド皇太子と連絡を取ってイスラエルの西岸併合の停止と引き換えに、イスラエルとUAEが国交正常化で合意するという「歴史的な和平」を実現するという構想が出てきたということだろう。

 マコビスキー氏は「アラブ人高官筋によると、米国から提案を受けたイスラエル側は、『それは平和条約でなければならない』と答えた」と書いている。本文では実名は出ていないが、それまでの文脈で読む限り、米国側というのはクシュナー氏、イスラエル側はネタニヤフ首相、アラブ人高官というのはオタイバ大使であることが類推できる。それほど狭い人間関係で、物事が進んでいたのである。

◇UAEの米大使がイスラエル紙に寄稿

イスラエル紙に掲載されたUAEのオタイバ駐米大使の寄稿
イスラエル紙に掲載されたUAEのオタイバ駐米大使の寄稿

 今回のイスラエルとUAEの国交正常化合意の伏線となるのは、ネタニヤフ氏が7月1日以降、西岸の30%について一方的な併合を進めると発表した後の6月12日にオタイバ大使がイスラエルの主要ヘブライ語紙イェディオト・アハロノトに寄稿をし、「併合はアラブ世界やUAEとの間で、治安や経済や文化の関係の発展しようとするイスラエルの願いとは逆のものある」と訴えたことである。寄稿は新聞の1面に掲載された。寄稿は「私たちは共通の脅威に直面し、より親密な関係に大きな可能性を見ている。私たちはイスラエルを敵ではなく、自分たちにとってチャンスだと信じたい。イスラエルが併合を行うかどうかの決断によって、イスラエルが同じ様に考えているかどうかをはっきりと示すことになる」と結ばれていた。

 イスラエルに対して西岸併合をやめて、アラブ世界との和平を選ぶように求める内容で、まるでイスラエルとUAEの国交正常化合意の筋道を読んで、あらかじめ布石を打っていたかのようである。今回の合意をめぐる動きを振り返って、唯一、驚かされるのは、絶妙のタイミングで行われたこの寄稿である。正式の国交がないアラブ世界の駐米大使が、イスラエルの主要紙に和平を呼び掛ける寄稿をすること自体が異例である。もちろん、オタイバ大使を動かしているのはムハンマド皇太子であり、その戦略的な積極さが、今回の合意を可能にした要因であることがわかる。

◇「土地と平和の交換」の原則と中東和平

 ここで、ネタニヤフ首相が打ち出したヨルダン川西岸の併合問題について、これまでの経緯を頭に入れておく必要がある。

 イスラエルによる西岸の併合は、ネタニヤフ首相が2019年9月の国政選挙直前に、選挙で政権を維持できれば、ヨルダン川西岸の約3分の1についてイスラエルの主権を宣言し、併合すると公約したことで問題化した。この時、主権宣言の対象となったのは、西岸の東側のヨルダン川に接するヨルダン渓谷地域だった。さらに西岸の西側を中心に点在する130か所のユダヤ人入植地のイスラエルへの併合も実施することも約束したが、その時期や範囲は、トランプ大統領による中東和平案の公表を待つとしていた。

 ヨルダン川西岸はガザや東エルサレムとともに、イスラエルが1967年の第3次中東戦争で軍事占領した地域であり、その時の国連安保障理事会は決議242号を採択して、イスラエル軍の占領地からの撤退を求め、同時に、すべての国家の主権や領土の認めるよう求めた、これは、イスラエルが占領地から撤退すれば、アラブ諸国はイスラエルの生存権を認めることを求める「土地と平和の交換」の原則として、その後の中東和平プロセスの枠組みとなった。

◇イスラエル軍が支配するC地区

ヨルダン川西岸の地図。茶色がイスラエルが支配するC地区
ヨルダン川西岸の地図。茶色がイスラエルが支配するC地区

 1993年にイスラエルとPLO(パレスチナ解放機構)の間で、パレスチナ暫定自治協定(オスロ合意)が調印され、ガザと西岸でパレスチナ自治が始まり、将来、イスラエル軍が撤退して、パレスチナ国家が樹立されるとしたのも「土地と平和の交換」に基づいたものである。

 しかし、オスロ合意ではイスラエル軍の西岸からの全面撤退は行われず、パレスチナ国家の樹立も実現しなかった。現在、西岸はパレスチナ自治政府が治安と行政を管轄するA地区が18%、自治政府が行政は管轄するが、治安はイスラエル軍と自治政府が協力するB地区が21%、イスラエル軍が支配するC地区が61%ある。ユダヤ人入植地の多くはC地区にあり、ネタニヤフ首相が併合しようとしているのも、このC地区の約半分の土地となる。

◇ イスラエルはトランプ和平案受け入れ

 トランプ大統領が「世紀の取引」と呼んだ中東和平案は2020年1月28日に発表された。「西岸にあるユダヤ人入植地のイスラエル人の97%はイスラエル領に編入される」「ヨルダン渓谷地域はイスラエルの安全保障の重要性からイスラエルの主権下に置かれる」とし、ネタニヤフ首相が公約していたヨルダン渓谷への主権宣言やユダヤ人入植地の併合を認める内容だった。ネタニヤフ首相は和平案を受け入れ、米国から西岸併合の承認を得られたとし、すぐにでも併合の手続きに入る構えを見せた。

※トランプ大統領の中東和平構想の検証 新たな中東危機に火をつけるか

 パレスチナ自治政府のアッバス議長はトランプ和平案の発表を受けて、「今日のばかばかしい発表を聞き、我々は『世紀の取引』に1000回のノーを突き付ける」と即座に拒否した。国連のグテレス事務総長も「国連は1967年の第3次中東戦争以前の境界線に基づく国境によって平和と安全のもとに2国家共存の理念を実現することを信じている」と述べ、トランプ和平構想を認めない姿勢を示した。

◇西岸併合に国際社会が反発

 イスラエルでは昨年9月に続いて、今年3月にも国政選挙があった。4月に新型コロナの蔓延という危機に対応するためにネタニヤフ氏が率いる右派・宗教勢力と野党勢力の中道勢力との連立合意ができ、5月にネタニヤフ氏を首班として新内閣が発足した。ネタニヤフ首相は連立協定の内容として7月1日以降、西岸の30%を併合する手続きを始めると発表した。

 西岸の併合について、パレスチナ自治政府やアラブ連盟が強く反発したのは当然であったが、グテレス国連事務総長はパレスチナ情勢に関する安全保障理事会のオンライン会合で「最も深刻な国際法違反となり、2国家共存への期待を著しく害し、和平交渉再開の可能性を損ねる」と警告した。EUの多くの国も反対を表明し、欧州各国の1000人の議員が併合中止を求める共同書簡を出すなど、強い反発が広がった。さらに米国の民主党大統領候補のバイデン氏が米国のユダヤ人コミュニティーとの会合で、「私は併合を支持しない。私は(大統領になれば)トランプ和平を取り消すだろう」と語った。

◇トランプ政権にもトーンの変化

 先に紹介したマコビスキ氏の分析では「トランプ政権は中東和平構想に対する予想外の反発の強さを受けて、ネタニヤフ首相が和平構想を、自分の西岸併合計画にしてしまっていることを不快に思い、(西岸併合に対する)トーンを変えた」という見方を示した。5月中旬にイスラエルを訪問したポンペオ国務長官はネタニヤフ首相に併合については中道の連立与党の合意をとるように求めるなど、一方的な併合をしないで、嵐が収まるのを待つことを望むような働きかけになったという。その後、6月下旬からクシュナー氏の特使がネタニヤフ氏に、一方的な併合ではなく、アラブ側にも何らかの見返りを与えるという案を出すことになる。

 しかし、イスラエル国内の報道を見ても、ネタニヤフ氏が西岸の30%を併合するという案については、強硬な入植者たちの中には、ネタニヤフ首相が将来のパレスチナ国家のために西岸の70%を与えることを警戒し、反対する声もあがっていた。ネタニヤフ首相としては、30%の併合でさえ右派強硬派に反対されているのに、さらに、パレスチナ側に併合と見返りに土地を与えることなど、受け入れられるはずがない、という思いだっただろう。

◇史上4番目の「歴史的な和平合意」

 トランプ大統領は8月13日に米国、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の共同声明として、「イスラエルとUAEの全面的な国交正常化で合意した」と発表し、ネタニヤフ首相はツイッターで「歴史的な日」と応じた。一方のムハンマドUAE皇太子は「イスラエルはヨルダン川西岸の併合を停止することを合意した。UAEとイスラエルは二国間関係を確立するためのロードマップ(行程表)をつくることで合意した」と西岸併合の停止を前面に出した。

※トランプ大統領が取り持つイスラエルとUAEの「和平」合意。次はサウジが焦点か?

 トランプ大統領にとっては、1979年のイスラエル・エジプト和平、93年のイスラエルとPLO(パレスチナ解放機構)のパレスチナ暫定自治協定(オスロ合意)、94年のイスラエル・ヨルダン和平合意以来、4番目の中東和平の歴史的合意の仲介者という外交的な成果を手にして、11月の大統領選に向けてのプラス材料にできる。

◇パレスチナに譲歩しないで国交正常化

 ネタニヤフ首相にとっては、UAEとの国交正常化合意の提案は、西岸の一方的な併合と掲げたものの、国際的な非難が巻き起こり、国内で分裂を抱えて、身動きがとれなくなった状態から抜け出す妙案だった。それだけでなく、アラブ諸国との和平実現という国内外の称賛を得ることができる。

 世界の論調を見れば、この合意で最も得をしたのはイスラエルであり、ネタニヤフ首相だという見方が広がっている。イスラエルの各政権が働きかけてきたエジプト、ヨルダンに続くアラブ諸国との国交正常化について、パレスチナ問題で何ら譲歩をしないで、UAEとの国交正常化を実現できたのだから当然の見方である。棚ボタ式に外交的な得点を得ただけでなく、西岸の併合をめぐるトランプ政権との齟齬や国内の軋轢という政治的な苦境も一気に解消したわけである。

◇併合停止は「一時的」か

 今回の合意について、ネタニヤフ首相が合意した西岸併合の停止は、一時的なもので、いつでも、併合の動きを再開することができる、という見方がある。しかし、今回国内外の反発で身動きがとれなくなった経験から、西岸併合問題ではより慎重にならざるを得ないだろう。加えて、簡単に約束を破れば、トランプ大統領、ムハンマド皇太子を裏切ることになる。

 トランプ大統領が国交正常化合意を発表し、「イスラエルはUAEとの関係正常化する合意の一部として、西岸での併合を停止することに合意した」とした。それに対して、ネタニヤフ首相は「停止は一時的なもの」「併合問題はなお議題としてテーブルの上にある」と語った。その発言は、イスラエル国内で支持基盤であるユダヤ人入植者ら右派の反発を必死で和らげようとしている様子がうかがえる。しかし、その直後に、トランプ大統領はすぐに「(併合問題は)いまは机の上にない」と語って、ネタニヤフ首相の発言を否定した。

◇バイデン候補の「併合反対」の重さ

 さらにネタニヤフ首相が西岸併合の停止を受け入れた背景として、イスラエル国内や米国の論調、分析で指摘されているのは、11月の米大統領選に向けて世論調査でトランプ氏を上回っている民主党候補のバイデン氏が併合に反対したことの重さである。

 バイデン氏が次期大統領になる可能性を考えれば、西岸併合問題で、次期米民主党政権と対立するのは、イスラエル首相として利益はない。一方、西岸併合を停止して、UAEとの関係正常化を実現すれば、民主党政権とも良好な関係を構築できる。そのように考えれば、ネタニヤフ首相が西岸の一方的な併合を持ち出すにはかなりハードルが高いと考えざるを得ない。

◇UAEの手腕、「和平の敵」から「立役者」へ

 UAEがイスラエルとの国交正常化によってどのような利益を得るかは、次回、UAEの注意での立場や戦略と合わせて詳述するが、今回の国交正常化合意の背景をみれば、トランプ政権とネタニヤフ首相が自分たちが始めた中東和平への強硬策で逆に苦境に陥ったところを、UAEに救われたという構図が浮かびあがる。

 ネタニヤフ首相の苦境は公約とした西岸併合について7月1日という期限を掲げながら実施できなかったことがすべてを物語る。トランプ大統領としては自身の中東和平案は国際社会から無視され、ネタニヤフ首相に西岸併合の根拠に使われて、国際社会の非難を受けることになった。

 UAEのムハンマド皇太子は、国際社会から「和平の敵」とみなされたトランプ大統領とネタニヤフ首相に助け舟を出しただけでなく、「和平の立役者」として国際舞台に引き上げたわけである。付け加えるならば、UAEが国交正常化という“褒美”をださなくても、ネタニヤフ首相の西岸併合は潰えていたはずである。UAEは自国の利益のためにイスラエルとの国交正常化のタイミングを狙っていたものであり、ネタニヤフ首相の西岸併合問題は、その格好の機会となったということである。

◇パレスチナ自治政府が合意の「敗者」

 今回のイスラエル・UAE国交正常化合意に対して、パレスチナ自治政府がUAEを「パレスチナを支援するふりをしてイスラエルとの関係正常化を行った」と非難したのは、UAEの意図も十分理解してのことである。この合意が今後のパレスチナ問題にどのような影響を与えるかは、改めて取り上げるが、今回の合意の敗者が、パレスチナ自治政府であるというのは、世界の論調や分析で共通する。

 自治政府の敗北が致命的なのは、アッバス議長が得意とし、唯一の手段としてきた外交舞台での敗北であることである。アッバス議長は1月のトランプ大統領の中東和平案を完全に拒否し、続けて、ネタニヤフ首相の西岸併合の危険性を外交舞台で訴え続けてきた。やっとEUや国連安保理が動き始めたところで、UAEはイスラエルの西岸併合を食い止めるという口実で、ネタニヤフ首相やトランプ政権の苦境を救い、さらに自治政府が積み上げてきた外交的成果を、一挙に自分の得点にしてしまった。

 自治政府の怒りは理解できるが、UAEにしてやられたという印象である。この合意を実現させたUAEと、ムハンマド皇太子のしたたかな存在感と戦略が浮き上がってくる。

 次回はUAEとムハンマド皇太子に焦点を当てる。

中東ジャーナリスト

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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