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【東京のサクラ】開花予想日3/16 予想外の高温で、今月末には桜吹雪に

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
東京・靖国神社にあるサクラの標本木:3月8日、菊池真以さん撮影

 本格的な春の訪れを告げるサクラ前線のスタートが目前に迫っています。 

 タイトルの画像は千代田区九段北の靖国神社にある東京のサクラの標本木です。8日(水)に撮影されたもので、つぼみが緑色になり、膨らみがわかるようになりました。開花まであと一週間くらいでしょうか。つぼみ全体がピンク色になり、花柄が伸びてきたら、数日で開花します。

関東甲信地方は記録的な高温

 3月になれば、日脚が延びて、日差しの強さを感じられるようになります。それでも、まだまだ気温は低く、コートは手放せないのが普通です。

 しかし、今年は急に春が来た印象です。それもかなり急に、突然に。この2週間の気温を見てみると、全国的に気温が高く、とくに北・東日本の高温が目立ちます。関東甲信地方は平年を2.1度上回り、1961年以降では2番目に高くなりました。

前2週間の気温の平年差(2/23~3/8):気象庁ホームページより
前2週間の気温の平年差(2/23~3/8):気象庁ホームページより

この暖かさは予想していたのか

 こちらはちょうど1か月前に発表された、2/25~3/10の気温予想です。西・東日本は平年並みか、低い予想、北日本は平年並みの予想でした。

【平均気温】2月9日発表の1か月予報、3~4週目(2/25~3/10):ウェザーマップ作画
【平均気温】2月9日発表の1か月予報、3~4週目(2/25~3/10):ウェザーマップ作画

 寒気が流れ込みやすく、全国的に気温が低くなる可能性が高いとみられていましたが、実際は暖かい空気の影響が大きく、著しい高温となりました。成層圏の突然昇温に伴う、寒気の動向が予測できていなかったようです。

サクラは記録的な早咲きに

 この著しい高温で、サクラ前線のスタートは早まる見通しです。3月16日(木)に東京と福岡で開花する可能性が高くなっています。

さくら開花予想2023(3月9日発表):ウェザーマップ
さくら開花予想2023(3月9日発表):ウェザーマップ

 これまでは満開のサクラと入学式が定番でしたが、最近は様子が変わってきました。2000年以降、毎年のようにサクラが早く咲くようになり、最も早い開花は2021年と2020年の3月14日です。

【東京】サクラが散り始める頃、桜吹雪となる頃、葉桜となる頃:筆者作成
【東京】サクラが散り始める頃、桜吹雪となる頃、葉桜となる頃:筆者作成

 今月下旬にかけても、気温がかなり高くなる見通しのため、開花したあと一週間程度で満開となるでしょう。

 気象庁の観測は満開までですが、葉桜になるまで見届けたくて、天気ノートにはその先も書いています。だいたい開花の2週間後に桜吹雪となり、20日後は見納めです。今年のサクラも今月末には桜吹雪となり、4月の初めには葉桜になりそうです。

【参考資料】

ウェザーマップ:さくら開花予想2023、2023年3月9日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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