6日(木)東京都心の大雪はギリギリまで予想がつかず、氷点下の気温で積雪も多くなった。23区の降雪量予報は50%を割り込む成績だ。東急電鉄は大雪時の運行対策を公表、大雪リスクに備えるための方法を紹介する

なぜ、予想外の大雪に?

 6日(木)は首都圏の雪予報の難しさを改めて感じる一日でした。こちらは天気分布予報を前日(5日)と当日(6日)で比べたものです。

 前日まで雪の可能性は低く、そもそも降水があるか微妙な状況でした。しかし、当日(6日)朝になって、予想していたよりも広範囲に雨雲の広がりが確認でき、東京都心では10時半頃から細かい雪が降り始めました。気象庁は10時42分、東京地方に大雪注意報を発表、11時12分には大雪に関する東京都気象情報第3号を出し、東京23区で積雪が5センチに達する見通しを示しました。

【天気分布予報】5日11時予報と6日11時予報における6日夕方の予報を比較したもの(ウェザーマップ作画、筆者加工)
【天気分布予報】5日11時予報と6日11時予報における6日夕方の予報を比較したもの(ウェザーマップ作画、筆者加工)

 それから一時間もしないうちに雪は大粒へと変わり、みるみるうちに都心が雪に覆われていきました。気温も下がり続け、午後1時過ぎには氷点下となったため、一段と積もりやすい状況に。天気予報が外の様子に追い付かなくなったのです。

 今回の大雪を振り返って思ったことは二つあります。一つは雨雲の広がりがギリギリまで予想できなかったこと、二つ目は気温が零度を割り込んだため、少ない降水量で雪の量が増えてしまったことです。

 4年前の大雪では降水量24.0ミリに対して、降雪量は23センチでした。おおよそ降水量1ミリに対して、降雪量は1センチの割合です。しかし、今回は降水量6.5ミリに対して、降雪量は10センチ、割合は1.5倍になりました。一度も雨に変わらず、雪で始まり雪で終わった、珍しい雪の降り方だったと思います。

降雪量予報は「10当12外」

 東京23区に降雪量予報がでるのは一冬に2~3回程度です。2013年~今回まで22事例を調べてみると、おおよそ当たった事例は10、外れた事例は12でした。ぴったりというわけにはいかないので、許される範囲に収まったら、予想通りとしました。

東京23区の降雪量予報を2013年~今冬(22事例)で調べた結果。筆者作成
東京23区の降雪量予報を2013年~今冬(22事例)で調べた結果。筆者作成

 外れた12事例の内訳をみると、積雪があると予想したが、実際はなかった、または予想したよりもかなり少ない積雪だった事例が7つ、一方、積雪はないと予想したが、実際は積もってしまった、または予想したよりもかなり多く積もった事例が5つでした。

 天気予報は最悪のケースを念頭に置くため、見逃すくらいだったら空振りする方がいいと考えます。今回はやってはいけない見逃しをしてしまったのです。

大雪のときの運行

 雪は絶え間なく降り、午後4時の積雪は6センチ、歩道はもう真っ白です。電車やバスが止まってしまうのではないかと気もそぞろになった方も多いでしょう。

 主要な路線は降雪に加えて、家路を急ぐ人の混雑でダイヤが乱れました。どのくらい雪が積もったら、運行に影響が出るのか、事前に知っておくと混乱が避けられます。

 たとえば、東急電鉄は大雪になったとき、どのような対応をするのか公表しています。

 積雪が6センチ以上になったら、時速60キロ以下で運転、積雪が11センチ以上になったら、時速40キロ以下で運転、さらに積雪が増え、見通しが200メートル以下となり、運転の継続が難しくなったら、運転を取りやめる。このように積雪などの状況に応じた3つのレベルをわかりやすく説明すると、利用者に安心感を与えると思います。

何年かに一度の大雪を知る方法

 一方で、企業はどのように備えればいいのか。めったに積もらない東京の雪、費用対効果を考える上で、数字的な裏付けは必要です。

 こちらは稀にしか起こらない極端な現象の強度や頻度を知る方法として使われる極値統計解析(グンベル分布)から求めた東京の大雪頻度です。

【極値統計解析】東京における日最深積雪の再現期間に対する再現期待値(筆者作成)
【極値統計解析】東京における日最深積雪の再現期間に対する再現期待値(筆者作成)

 これによると、10センチ程度の大雪は5年に一度、15センチ程度は10年に一度の割合で起こりやすいことがわかります。

 さらに、50年や100年に一度といった長期間に出現する可能性がある値はどのくらいなのかも推定でき、必要に応じた対策を決める手立てとなるでしょう。気候情報を危機管理に役立てて欲しいと思います。

【参考資料】

東急電鉄:冊子「おしえて!東急線 悪天候や地震のときの運行編」