この秋一番の冷たい空気の影響で、北海道の峠では16日夜、雨から雪に変わる。最新の予測によると今後、ラニーニャ現象が発生する可能性が高く、この冬は西日本を中心に強い寒気の影響を受けるおそれがでてきた。

北海道は紅葉に雪も

 タイトル表紙はきょう(16日)午前9時の地上天気図です。大陸に優勢な高気圧が現れました。高気圧の中心気圧は1052hPa、この秋最も高い気圧です。毎年、この頃から天気ノートに高気圧の中心気圧を書き留めるようになります。高気圧の気圧が高くなればなるほど、数日後に必ず寒さが厳しくなるからです。

 北海道には今夜から冷たい空気が流れ込み、気温が一気に下がるでしょう。峠では紅葉に雪が積もるかもしれません。

この秋、ラニーニャ発生の可能性

 そろそろ、この冬はどのくらい寒くなるのか、気になる時期になりました。今月11日に発表されたエルニーニョ監視速報によると、この秋から冬にかけて、ラニーニャ現象が発生する確率は60%となり、前回の予測よりも引き上げられました。この冬はラニーニャ現象の影響を受ける可能性が高くなったのです。

 ラニーニャ現象とは太平洋赤道域の日付変更線付近から南米ペルー沖にかけての海面水温が基準値より低くなり、その状態が1年程度続く現象です。

エルニーニョ監視海域を図にしたもの(筆者作成)
エルニーニョ監視海域を図にしたもの(筆者作成)

 対象となる海域(エルニーニョ監視海域)を図にしてみると、ハワイ諸島の南からガラパゴス諸島まで、北米大陸と比較すると非常に広い海域であることがわかります。この海域の水温が低下することで、地球を取り巻く偏西風に影響を与え、世界規模で異常気象を引き起こすのです。

ラニーニャ発生で寒い冬

 ラニーニャ現象は1949年以降、16回発生し、2000年からは6回を数えます。実はこの春までラニーニャ現象が発生していました。ほとんど間を置かずに再び、ラニーニャ現象が発生するのは過去に例がないようです。

 こちらは2000年以降、ラニーニャ現象が発生していた冬の天候をまとめたものです。

ラニーニャ現象と冬の天候まとめ(筆者作成)
ラニーニャ現象と冬の天候まとめ(筆者作成)

 昨冬(2020年12月~2021年2月)は二度にわたり大雪に見舞われました。12月には新潟県内を走る関越自動車道で、大型車など約2千台が2日以上動けなくなり、首都圏の物流に大きな影響がでました。

 また、2018年1月には東京地方に大雪警報がだされ、都心の積雪が一時23センチに達する大雪になりました。午後から雪が強まったため、主要な駅では帰宅を急ぐ人でごった返したことを思い出します。

西回り寒気で、寒さ厳しく

 この冬の天候はどうなるのでしょう。冬の見通しを示した寒候期予報によると、寒気の影響は西日本を中心に強く、日本海側は大雪のおそれがあります。

【寒候期予報】500hPa高度場を予測した図 気象庁ホームページより、言葉や矢印は筆者が加えた。
【寒候期予報】500hPa高度場を予測した図 気象庁ホームページより、言葉や矢印は筆者が加えた。

 500hPa高度場を予測した図をみると、真っ先に目に入るのが北太平洋東部の赤い領域です。500hPa高度が平年よりかなり高くなる予想で、これはラニーニャ現象に関連してみられるものです。相対的に日本付近の500hPa高度が低くなっています。

 細かくて分かりにくいのですが、横縞に見える等高度線は西から東に流れる偏西風の位置を示しています。この冬、偏西風は日本の南を流れる予想で、北極からの寒気が日本列島に流れ込みやすいとみられます。

【参考資料】

気象庁:エルニーニョ監視速報(No.349)、2021年10月11日

気象庁:冬の天候の見通し(12月~2月)、2021年9月24日