なぜ、梅雨が明けない?

日本列島に沿って停滞する梅雨前線。東京は18日連続の雨に(ウェザーマップ作画)

 週間天気予報が冴えない。弱る夏の高気圧に、偏西風の大蛇行=ブロッキングが重なり、梅雨明けのタイミングがつかめない。

東京は18日連続の雨

 気象庁は16日午後、全国的に続く日照不足と長雨に注意するよう呼びかけました。東京は先月30日からきょう(17日)まで18日連続の雨となっていて、都道府県庁所在地で調べた、最近20日間の降水量と日照時間をみても、九州から東北まで広い範囲にわたっていることがわかります。

都道府県庁所在地で調べた、降水量が多い(上表)、日照時間が少ない都道府県庁所在地(下表)(6月27日~7月16日までの20日間、平年との差による順位、著者作成)
都道府県庁所在地で調べた、降水量が多い(上表)、日照時間が少ない都道府県庁所在地(下表)(6月27日~7月16日までの20日間、平年との差による順位、著者作成)

そろそろ梅雨明けの頃ですが

 今シーズン、梅雨が明けているのは沖縄だけ。7月も半ばを過ぎ、例年ならばそろそろ梅雨明けがささやかれる頃です。この先一週間の週間天気予報をみると、鹿児島(九州南部)は20日(月)頃から晴れが続く予報に、福岡(九州北部)や高松(四国)も雨の日が少なくなる予報です。

この先一週間の週間天気予報、赤丸は梅雨明けの平年日を示す(気象庁、7月17日11時発表、ウェザーマップ作画)
この先一週間の週間天気予報、赤丸は梅雨明けの平年日を示す(気象庁、7月17日11時発表、ウェザーマップ作画)

 でも、そのほかの各地は来週も梅雨空が続く気配、梅雨明けが先になりそうなのはなぜでしょう?

夏の高気圧に凹み

 一週間前は18日(土)頃から太平洋高気圧が強まり、例年に近いタイミングで梅雨が明けるような様子でした。しかし、その後、日を追うごとに太平洋高気圧の北への張り出しが弱くなり、日本列島をしっかりと覆うことはなくなりました。

 こちらは7月21日から25日までの5日間を平均した500hPa高度偏差予想図です。図の中央に日本列島があり、夏の高気圧=太平洋高気圧に覆われる沖縄はこの先も猛暑が続く見通しです。

500hPa高度偏差予想図(7月21日から25日までの5日間平均、ウェザーマップ作画)
500hPa高度偏差予想図(7月21日から25日までの5日間平均、ウェザーマップ作画)

 一方、本州付近に目を向けると、夏の高気圧(5,880メートル等高度線)に凹みがみられ、高気圧に覆われる予想にはなっていません。これでは梅雨明けは難しい。

偏西風の大蛇行、ブロッキング現象

 梅雨が明けない、もうひとつの理由は日本の北を流れる偏西風が東シベリア付近で著しく蛇行し、ブロッキング現象が発生していることです。緑矢印で示した偏西風が北に突き出すように蛇行している様子がわかります。

 偏西風の流れを塞ぎ止めることから名付けられたブロッキング現象はひとたび発生すると持続性が強く、同じような天気が長く続くため、異常気象を引き起こすこともあります。

500hPa高度偏差予想図(7月21日から25日までの5日間平均、ウェザーマップ作画)
500hPa高度偏差予想図(7月21日から25日までの5日間平均、ウェザーマップ作画)

 困ったことに、ブロッキング現象はいつ始まって、いつ終わるのか、予測が難しく、長期的な予報を外す原因のひとつです。最新の予想では27日(月)頃から夏の高気圧が強まり、ブロッキング現象も不明瞭になる見通しです。梅雨空から夏空へ、スイッチの切り替えがいつになるのか、もうしばらく悩む日々が続きそうです。

【参考資料】

気象庁:北・東・西日本の日照不足と長雨に関する全般気象情報 第2号、2020年7月16日

木本昌秀、2017:3.5.3ブロッキング現象、気象学の新潮流5「異常気象」の考え方、朝倉書店、93-98.

気象庁:2週間気温予報資料、2020年7月17日