東京でさくら開花 3年ぶりの全国初
今年、全国初のさくら開花は東京だった。例年、開花が早いのは九州・四国だが、今年は記録的な暖冬で番狂わせが起こった。しかし、温暖化の進行で、番狂わせとは言い切れない実情がある。
東京 雪のなかのさくら開花
14日(土)は午前中から冷たい雨が降り、午後は雪が混じるようになった東京都心。こちらは中央区で午後2時過ぎに撮影された写真です。神社の屋根がうっすら白くなり、雪が積もっていることがわかります。
東京管区気象台は14日午後、東京でさくらが開花したと発表しました。
雪が降る日の開花は記憶になく、とても珍しいです。さらにめったにないことが・・・開花は平年と比べて12日早く、記録が残る1953年以降で最も早くなりました。過去例のない記録的な暖冬に、天気ノートも役に立たず。つい先日まで、あまりに早い開花予想に首を傾げていました。こんなこともあるんですね。
東京 一番乗りは3年ぶり
東京が全国初(沖縄を除く)の開花となるのは2017年以来、3年ぶりのこと。昨年(2019年)は長崎でした。
その年初めてさくらが開花した場所がどこだったのか、その回数も含めて図にしてみました。これまで全国一番乗りが最も多かったのは高知で18回、次いで熊本、鹿児島、福岡と温暖な九州各地が続きます。
春、どこよりも早く暖かくなる場所がさくらの成長に好都合なのでしょう。しかし、東京も負けてはいません。一番乗りは今年を含めて6回で、じわじわと順位を上げています。2007年や2008年も全国初となりました。
東京と鹿児島が逆転
一方で、鹿児島は2015年を最後に、全国初はありません。今年は3月27日開花予想と、東京から遅れること約2週間です。昔は鹿児島の方が圧倒的に早かったのですが、最近は逆転する年が多くなり、2017年は(今年と同じように)東京の方が鹿児島よりも14日早く開花しました。
寒いと咲かないのは当たり前です。でも、暖かすぎても咲かない。改めて、植物の微妙な生態に驚きます。温暖化の影響で、とは言い切れない、なにか気候そのものが変化を起こしているように感じました。
【参考資料】
東京管区気象台ホームページ:東京における気象の記録、全国のソメイヨシノ開花の月日の1位と2位及びその地点、気象庁天気相談所作成