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さくら開花まで、あと一週間

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
記録的な暖かさで、さくらの開花予想は日を追うごとに早まっている(ウェザーマップ)

 さくら開花まで一週間を切った。今年のさくら前線は関東地方からスタートする可能性が高く、北関東と南関東で開花時期の差が小さいのも特徴だ。

休眠打破の遅れを打ち消す暖かさ

 春になって、花の開花を促すような雨を催花雨(さいかう)と言います。8日(日)は東海から関東南部にかけて雨が降っていて、午後3時の気温は東京で8.1度です。花にも、人にも冷たい雨ですが、さくらの開花予想は日を追うごとに早まっています。

 こちらは最新の予想に基づいて、民間気象会社の開花日をまとめた表です。本格的なさくらシーズン開始を告げるのはどこでしょう?

さくらが一番早く開花する場所:各社の予想比較、3月8日現在(著者作成)
さくらが一番早く開花する場所:各社の予想比較、3月8日現在(著者作成)

 最も早い予想はウェザーマップの3月13日(金)です。次は日本気象協会の3月15日(日)、そしてウェザーニュースの3月16日(月)となっています。各社とも先月の予想と比べ3日から5日早まりました。

 当初は記録的な暖冬による休眠打破の遅れから、早い開花には慎重な予想もありました。しかし、休眠打破の遅れを打ち消すような暖かさが続いているため、開花まであと一週間というところまで近づいています。

北も、南も同時にお花見?

 各社の予想をみると、今年のさくら前線のスタートは関東地方になる可能性が高いようです。さらに、特徴的なのが南関東、北関東の差がほとんどないことです。通常、南関東と北関東では開花に一週間くらいの差がありますが、今年は東京と熊谷が同日に咲く予想です。

関東・東海地方のさくら開花予想日、3月5日発表(ウェザーマップ)
関東・東海地方のさくら開花予想日、3月5日発表(ウェザーマップ)

 こんなところにも記録的な暖冬の影響がでているのでしょうか。

【参考資料】

ウェザーニュース:第四回桜開花予想、2020年3月3日

日本気象協会:桜開花予想2020、2020年3月5日

ウェザーマップ:さくら開花予想、2020年3月5日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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