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【2019参院選】投票率と天気 梅雨明けが鍵 

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
7月21日(日)参議院選挙の投開票日は夏の高気圧に覆われる予想(著者作成)

 最も投票率が低くなった1995年は投開票日に梅雨が明けた。7月21日(日)の投票日、東京は晴れて、気温は30度を超える予想だ。1995年と同じように梅雨明けが重なる可能性もある。

参議院選挙と天気

 梅雨と重なる参議院選挙の投開票日は雨の日が多いのでしょうか。天気が詳細にわかる1962年から前回(2016年)まで、東京を例に調べてみました。すると、意外にも晴れの日が目立ちます。最近は2016年、2013年と続けて晴れの天気でした。

参議院選挙の投票率(東京都)と天気(著者作成)
参議院選挙の投票率(東京都)と天気(著者作成)

 投票率が高くなりやすいのはくもりの日で、晴れると行楽地に足が向かい、雨が降ると外出がおっくうになると言われます。実際はどうなのでしょう。

不意の雷雨で投票率下がる

 こちらは東京を例に、天気別に投票率を平均したものです。一番高いのは雨の日、一番低いのは晴れの日でした。

【参議院選挙】投開票日の天気と投票率(著者作成)
【参議院選挙】投開票日の天気と投票率(著者作成)

 

 梅雨なので、雨に抵抗感がないためなのか、それとも遠出をあきらめて投票所に行こうと思うのでしょうか。

 おもしろいと思ったのは雷雨です。2007年7月29日はちょうど午後3時頃、都心で激しい雷雨があり、一時、投票所に向かう人が途絶えました。午後は投票に行く人が増える時間帯のため、不意の雷雨は影響が大きいようです。

梅雨明けが鍵

 さらに、この時期の選挙は梅雨明けと重なります。1962年から前回(2016年)までの19回のうち、梅雨明け後の投開票日は5回でした。

 梅雨明け前と梅雨明け後の天気はまったく違います。梅雨明け前はくもりや雨で、気温も30度を下回る日が多い。一方、梅雨が明けたら厳しい暑さがやってきます。

【参議院選挙】投開票日と梅雨明け(著者作成)
【参議院選挙】投開票日と梅雨明け(著者作成)

 過去最も投票率が低くなった1995年は投開票日の当日に梅雨が明け(近畿から東北まで)、東京は午前中から気温が30度を超えました。

 短命内閣による政治不信や阪神淡路大震災、オウム真理教の事件などの社会不安が大きな要因だと思いますが、夏空と暑さが投票率低下に拍車をかけたのかと頭をよぎりました。

 今年はどうなのでしょう。こちらは7月21日(日)の予想天気図です。

7月21日(日)の予想天気図。夏の高気圧が日本列島を広く覆う。東京は晴れて、最高気温は32度予想(ウェザーマップ予想、作画は著者)
7月21日(日)の予想天気図。夏の高気圧が日本列島を広く覆う。東京は晴れて、最高気温は32度予想(ウェザーマップ予想、作画は著者)

 これまで弱かった夏の高気圧が勢力を強め、日本列島を広く覆う予想です。まだ不確実なことも多いけれど、1995年と同じように梅雨明けと投開票日が重なるかもしれません。

 例年になく梅雨寒が続く今シーズン、投票率にも予想外があるのでしょうか。

【参考資料】

総務省:目で見る投票率、平成29年1月

東京都選挙管理委員会:参議院議員選挙投票率

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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