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東京都議選の投票率と天気

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
2日(日)の関東地方は雲が多いながら晴れ間がありそう(30日午後5時現在)

2日は東京都議選の投票日。東京の予想最高気温は31度と今年一番の暑さとなる見通し。35度以上の猛暑日となった1997年は戦後最低の投票率となった。厳しい暑さは投票率に影響する可能性がある。

投票日は梅雨の晴れ間と暑さ

2日(日)は太平洋高気圧が西日本を中心に張り出し、梅雨前線は北陸付近まで北上する予想です。湿った空気の影響があるので、予想が難しいですが、今のところ、東京は晴れたり、急な雨があったりと変わりやすい空模様になりそうです。

梅雨前線は北陸付近に停滞し、高気圧が関東に張り出す(7月2日午前9時予想天気図)
梅雨前線は北陸付近に停滞し、高気圧が関東に張り出す(7月2日午前9時予想天気図)

夏の日差しと暖かな空気の影響で、朝の気温は24度と午前中から気温が高く、午後は31度まで上がる予想です。晴れる時間が長くなれば、気温がさらに高くなる可能性もあります。

投票率と天気

投票日が近づくと決まって当日の天気予報が紙面を賑わせます。雨などの悪天は投票所への足が遠のき、晴れた好天も行楽地に向かいがち。投票率がアップしやすいのは曇りの日というわけです。

実際はどうなのでしょうか?

こちらは1947年以降の都議選の投票率をグラフにしたものです。

東京都議会議員選挙の投票率と天気
東京都議会議員選挙の投票率と天気

1959年の70.13%をピークに下降傾向で、最近では50%を割り込む年も目立ちます。1965年以降、梅雨時の選挙となったため、半数は雨の投票日となっています。

天気との関係を調べてみても、雨の日ばかりが投票率が低くなるわけでもないようです。また、期日前投票が定着してきているため、天気と投票率の関係が薄れてきていることも考えられます。

猛暑で投票意欲をそがれた?

ひとつ気になったのは1997年の投票率です。悪天でもないのに突出して低く、戦後最低の40.80%を記録しました。この日はどんな天気だったのでしょうか?

この日(7月6日)は梅雨前線が日本海まで北上し、東京は夏の高気圧に覆われました。気温は午前8時前に30度を超え、昼前には35.8度まで上がりました。7月上旬としては記録的な暑さとなったのです。天気ノートには「真夏の日差し、猛暑」とあります。

東京都議会議員選挙の投票率と最高気温
東京都議会議員選挙の投票率と最高気温

もちろん、暑さばかりが低投票率の原因とはいえませんが、急激な暑さが投票意欲に影響した可能性を捨てきれない。

2日はこれほどの暑さにはならない見通しですが、梅雨前線が北上すると不快な暑さになりやすい。投票率は暑さが鍵を握っているかもしれません。

【参考資料】

東京都選挙管理員会事務局ホームページ:都議会議員選挙投票率一覧

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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