【NHL開幕】「ヤマモト」「スズキ」「イナモト」 ドラフト指名された日系人選手たちはどうしてる?
昨夜(現地時間)北米の4都市で行われた試合を皮切りに、NHLのレギュラーシーズンが開幕しました。
創設102季目(ロックアウトによるシーズンキャンセルの年を含む)の開幕戦は、アメリカではワシントンD.C.とサンノゼ。
一方、カナダでは、トロントとバンクーバーの合わせて4都市で行われました。
▼王者・ワシントンが完封勝利
そのうちワシントンD.C.のキャピタルワンアリーナでは、昨季のチャンピオン輝いたワシントン キャピタルズの初優勝を記念して、チャンピオンバナー掲揚のセレモニーを開催。
誇らしげに掲げられたチャンピオンバナーを目の当たりにして、王者のスイッチが入ったのか、オープニングゲームはワシントンが早々に試合の主導権をつかみます。
歴代最多タイ記録となる アレックス・オベチキン(FW・33歳)の開幕戦通算10点目のゴールが飛び出すなど、実に7得点を上げてボストン ブルーインズを圧倒。
守っては ブレイデン・ホルトビー(GK・29歳)が、25本のシュートを全てブロックしてシャットアウト!
さらに加えて、3季ぶりのアシスト(通算9アシスト目)もマークして、2連覇へ向け7-0 のスコアで快勝しました。
その他のアリーナでは、トロント メイプルリーフス、バンクーバー カナックス、アナハイム ダックスが勝利し、白星スタートを飾りました。(詳細な結果はNHLのオフィシャルサイトをご覧ください)
▼日系人のプロスペクト選手たちは?
ところで、新たなシーズンが始まると気になるのは、やはり各チームの戦力。
当サイトでも紹介しましたが、昨年6月の「NHLドラフト」で話題になった3人の日系人選手を、覚えていらっしゃいますか?
NHLのレギュラーシーズンが開幕をしたのを機に、3人の日系人プロスペクト選手たちの動向を見てみましょう。
▼身長173センチの日系人「ヤマモト」
一昨季は、実に11季ぶりのプレーオフ進出を果たしながら、昨季はウエスタン カンファレンスの12位(全15チーム)に低迷し、レギュラーシーズン敗退に終わってしまった エドモントン オイラーズ。
キャプテンのコナー・マクデイビッド(FW・21歳)こそ、チームが低迷した中でも、前年を上回るポイント(ゴール+アシスト)をマークし、オフェンスでの貢献が光りましたが、多くの選手は前年に比べ、軒並みポイントがダウン。
それだけに、攻撃面の起爆剤となるFWの台頭が求められますが、その期待が集まるのは、カイラー・ヤマモト(FW・20歳/タイトル写真)です!
「61」ものNHL記録を持つウェイン・グレツキー(57歳)を筆頭に、多くの名選手がプレーをした名門・エドモントンから高い評価を受け、ドラフト1巡目(全体22位)で指名。
高い評価に違わず、ヤマモトは昨年6月のドラフトで指名された日系人3選手のうち、最も早くNHLデビューを飾りました。
▼ジュニアリーグへ降格
しかしヤマモトは、期待に応えることができず、サラリーキャップ(チーム年俸総額上限)との兼ね合いもあり、9試合出場したあと、ドラフト指名を受ける前に在籍していたジュニアリーグ(WHL)のスポケーン チーフスに降格。
降格からしばらくの間、成績が振るわなかった上、エドモントンはレギュラーシーズンで敗退。4月半ばにシーズンを終えてしまったことから、ヤマモトは再昇格をすることなく、ルーキーシーズンを終えました。
▼2年目は飛躍の予感
しかし、1年目の悔しさをバネに、オフのトレーニングにも力を注いだというヤマモトは、ここまでのプレシーズンゲームで、試合数を上回るポイントをマークしてアピール。
トッド・マクレラン ヘッドコーチからも、「力強いプレーを見せてくれている。昨季より大きく改善しているし、自信を持ってプレーしている」という声が聞かれるだけに、今季のヤマモトからは”2年目の飛躍”の予感が漂います。
▼最も高い評価を受けた「スズキ」
昨年のドラフトで指名された日系人選手の中で、最も高い評価を受けたのが、 ニック・スズキ(FW・ベガス ゴールデンナイツ1巡目・全体13番目指名)
昨季はあと一歩のところで、スタンレーカップに届かなかったベガスが戦力強化を図り、モントリオール カナディアンズでキャプテンを務めていたマックス・パチョリティ(FW・29歳)の獲得へ動き、スズキは交換要員として、先月10日にモントリオールへトレード。
新天地に移ったのを機にアピールをしたものの、先月25日にジュニアリーグのチーム(OHL・オーウェン サウンドアタック)への降格を通告されてしまいました。
▼大学生の「イナモト」
こちらも昨年のドラフトで、フロリダ パンサーズに5巡目(全体133位)で指名されたタイラー・イナモト(DF・19歳) はウィスコンシン大学へ進学。
同校のホッケーチームでは、コロラド アバランチや、ピョンチャン(平昌)オリンピックのアメリカ代表のヘッドコーチ(HC)
を務めたトニー・グラナトがヘッドコーチを務めています。
プレーヤーとしても、NHLで3チームに在籍し、攻撃の柱として活躍した実績を持つだけに、イナモトにとって心強い指導者だと言えるでしょう。
昨季にNHLデビューを果たしたヤマモトが、まずは”はじめの一歩”を記しましたが、昨年のドラフトで指名を受けた3人の日系人プロスペクト選手の中で、誰が一番早く脚光を浴びる存在になるでしょうか。