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【NHL】6分違いで生まれた双子は同じ日にドラフト1巡目指名!同じ日にデビュー!そして同じ日に引退!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
揃って引退する双子のセディン兄弟(Courtesy:@stevedarling)

 NHLのレギュラーシーズンは最終週に入りました。

 今月8日(現地時間)の最終日を前に、今季から加盟したばかりのベガス ゴールデンナイツが、パシフィックディビジョンの優勝を決めて、初年度からプレーオフ進出を果たすなど、明るい話題が聞かれる一方で、残念なニュースも聞かれます。

 バンクーバー カナックスは、2000年の秋から17季(ロックアウトによるシーズンキャンセルの年を除く)にわたって、チームの主力として活躍し続けてきた ダニエル・セディンと、ヘンリク・セディン(ともに37歳・FW)との契約が今季をもって満了するのに際し、両選手が揃って現役を引退すると発表しました。

▼6分違いで生まれた双生児

 タイトル写真をご覧いただいて、気づかれた方もいらっしゃるでしょうが、両選手は6分違いで生まれたツインズ(双生児)です。

 アイスホッケー強国のスウェーデンで生まれたとあって、物心がついた時には「アイスホッケーに夢中になっていた」と声を揃えた”セディン・ツインズ”。

 小さい頃から同じチームでプレーを続けてきた二人は、どちらも同年代の中でも一際光った存在で、17歳の時に揃ってU20(20歳以下)の世界選手権代表に選ばれるなどして注目を集めました。

▼NHLのスカウトが熱視線

 それだけに、NHLチームのスカウトたちも、早くからドラフト上位候補にリストアップ。

 その中から、バンクーバー カナックスが、1999年のドラフトで1巡目の全体2位(ダニエル)と3位(ヘンリク)で指名したことから、セディン・ツインズは揃ってカナダへ渡り、NHL選手の第一歩を記しました。

▼らつ腕のGMがツインズを揃って獲得

 セディン・ツインズが揃ってバンクーバーのジャージに袖を通すことになったのは、らつ腕を振るった男の存在がありました。

 その男とは、当時バンクーバーのGMをしていたブライアン・バーク(62歳・現カルガリー フレイムスGM) です。

 セディン・ツインズの能力を高く評価したバークは、他チームとのトレードを画策してドラフト指名権を手に入れ、全体2位でダニエル。続く3位でヘンリクを指名し、二人を揃ってバンクーバーの一員に加えたのです。

 バークの眼力に間違いはなく、ダニエルはアートロス トロフィー(最多ポイント賞)や、テッドリンゼイ アウォード(選手会選出MVP)に、ヘンリクもハートトロフィー(レギュラーシーズンMVP)に輝いたのに加え、揃ってトリノオリンピックや世界選手権で祖国の金メダル獲得に貢献!

 セディン・ツインズの存在を知らしめました。

▼レフェリーも間違えてしまうほどソックリ!

 双生児なので当然のことですが、二人は顔もソックリ!

 筆者が初めてセディン・ツインズを目の当たりにしたのは、1999年にノルウェーで開催された「世界選手権(Aプール=現トップディビジョン)」のテレビ中継の実況を仰せつかり、オスロのアイスアリーナに赴いた時でしたが、「スティックハンド(野球に例えれば右打ちor左打ち)も、背格好も同じなので、背番号を見ないと見分けがつかない!」というのが、偽らざる第一印象でした。

 その後、目にした ↓ この映像を見て納得。

 ペナルティをしたのはダニエル(白#22)なのに、、、

 レフェリーがペナルティを課したのは、ヘンリク(白#33)・・・。

 セディン・ツインズは、レフェリーも間違えてしまうほどソックリ!だと言えるようです(苦笑)

▼兄弟合計のポイント数は歴代2位だけど・・・

 CFとしてプレーメーカー役を担い続けたヘンリクと、ウイングとして得点に貢献したダニエルは、文字どおりバンクーバーの得点源として働き続け、兄弟揃って通算1000ポイント(ゴール+アシスト)を達成。これはNHL史上初めての快挙!

 さらに、兄弟合計の通算ポイント数は、「2106」(レギュラーシーズンのみ)を数え、NHL歴代2位の成績です。

 しかし兄弟合計の通算ポイント数で、セディン・ツインズを上回っているのは、NHL史上最多となる2857ポイントを記録した兄のウェイン・グレツキーと、9歳年下の弟ブレント・グレツキーによる、合計「2861」ポイント。

 引き算をしていただけば、お分かりのように、弟の通算ポイント数は、「4(1ゴール3アシスト)」だけとあって、セディン・ツインズが「NHL史上最も多くのポイントを記録した兄弟(二人のみ)」だと言えるでしょう。

 バンクーバーの残り試合は「あと3つ」

 そのうち今夜のベガス戦は、NHL-TVで無料のライブストリーミングがありますので、バンクーバーファンの方は、(平日の日中になりますけれど)ご覧になられては、いかがでしょう?

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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