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台風8号は8月13日静岡県に上陸か 東海地方に線状降水帯発生の可能性も

伊藤麻衣気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

13日の日中に静岡県にかなり接近・上陸か

12日午後6時の時点の台風情報を見ると、台風8号は静岡県からは400キロほど南にあります。今後北から北東に進み、13日の日中に静岡県にかなり接近・上陸の可能性があります。かなり進路が絞れてきたものの、接近・上陸の時間が、予報が出るたびに遅くなっています。今後も接近・上陸の時間が変わるかもしれないことは頭に入れておいてください。

台風進路(提供:ウェザーマップ)
台風進路(提供:ウェザーマップ)

特に大雨に警戒

今回は特に大雨に警戒が必要です。理由が2つあります。

1つは、11日から雨が降ったりやんだりを繰り返し、土の中の水分量がすでに多くなっている点です。12日午後7時までの段階で降り始めからの雨の量が200ミリ近くにのぼっているところがあります。土の中の水分量を見てい見ると、すでに富士山周辺では警戒の赤色を超えて、紫色が出始めています。駿河湾周辺ではオレンジ色の表示のところも増えてきています。これからまだまだ長く雨が続いていきそうです。

土壌雨量指数(提供:ウェザーマップ)
土壌雨量指数(提供:ウェザーマップ)

2つめが、ゆっくり北上し、かなり接近・上陸の可能性があるためです。

雨の降り方としては2段階あります。接近するまで、11日や12日のような降り方が続きます。夏台風らしく、動きがゆっくりなので、長く降り続いてじわじわ雨量が増えていきます。

13日の日中に静岡県の近くまでやってくると台風本体の発達した雨雲がかかりそうです。予報円の中心付近を通った場合の雨雲の予想を見てみると、台風の中心の東側にかなり発達した雨雲が予想されています。今回は台風の東側で風が収束しやすく雨雲が発達しそうです。さらに南東風がぶつかる斜面は特に雨雲が発達し、これが線状降水帯になるのかもしれません。この予想だと西部に中心が進む予想ですが、少し中心が東にずれれば伊豆などで発生する可能性もあります。

線状降水帯が発生すると急激に大雨災害の危険度が高まるので注意が必要です。雨は、13日の夜には止む予想です。

台風が予報円の中心付近を通った場合の13日午後の雨と風の予想(提供:ウェザーマップ)
台風が予報円の中心付近を通った場合の13日午後の雨と風の予想(提供:ウェザーマップ)

予想される雨の量は、

13日夕方までの24時間・多いところ 300ミリ

14日夕方までの24時間・多いところ 100~200ミリ

雨の多い静岡県でも24時間に300ミリは1年に何度も出るような数字ではありません。土砂災害、川の増水、低い土地の浸水に警戒です。斜面など危険な場所から離れ、安全な場所で過ごすようにしてください。台風が近づくと気象情報や自治体からの情報もたくさん出てきますので、こまめに確認をしてください。

夏休みの方が多い時期だからこそ注意しなければいけない点は

早い方だと11日から夏休みに入って、いつもとは違う場所で過ごされている方もいるかと思います。慣れない土地でもしもの時のために避難場所などを確認しておくのは重要です。

これから移動をされるという方もいるかと思いますが、台風が近づいてくると交通機関が大きく乱れることも予想されるため、交通情報の確認もしておきましょう。

13日の内には雨が止む予想ですが、波の影響は14日まで残りそうです。海のレジャーは十分注意し、予定の変更も考えてください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

静岡県御前崎市出身。2011年に気象予報士資格を取得。2014年にNHK広島放送局で気象キャスターをはじめ、2017年からは地元のNHK静岡で気象キャスターを務める。たっぷり静岡(平日・午後6時10分~)に出演。地域に根ざした天気や、天気というフィルターを通すと気づく静岡の魅力をお伝えします。

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