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静岡県 まだ長く雨は続く 土砂災害に厳重警戒を

伊藤麻衣気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
(写真:アフロ)

静岡県で特に警戒してほしいのがこの2点です。

・これまでの雨によって地盤が緩んでいる

・今後まだ雨が降り続く

7月に入ってからの雨

7月1日からきょう午前11時までの雨量をまとめました。東部ではすでに平年の1.5倍以上の雨の降っているところがあります。それ以外の地域も広く7月1か月分がすでに降ってしまいました。この雨で地盤が緩んでいます。

7月に入ってからの雨の量と平年比(気象庁HPより作成)
7月に入ってからの雨の量と平年比(気象庁HPより作成)

土砂災害の危険度は、西部中部は広い範囲で赤色、警戒が必要になっています。川根本町や浜松市天竜区は紫色と非常に危険なレベルになっているところがあります。土砂災害警戒情報が発表されているところもあります。

土砂災害の危険度(気象庁HPより)
土砂災害の危険度(気象庁HPより)

最新の土砂災害危険度分布はこちらをご覧ください。

出典:気象庁HP

大雨の原因は

静岡県は大雨が続いていますが、東海地方の中で特に静岡県の雨の量が多くなっているのは、南西の風が続いているからです。今、台湾や南シナ海、東シナ海のあたりには非常に湿った空気があります。南西の風に乗ってこれが静岡県に直接入ってきています。

大雨の原因は南西風(筆者作成)
大雨の原因は南西風(筆者作成)

南寄りの風に変わればその非常に湿った空気は入りませんし、西寄りの風になれば西日本で雨を降らせてからやってくるために静岡県での雨の降り方は弱まります。南西風が直接静岡県に入るため、特に南西の風がぶつかる山沿いで雨量が多くなっています。

大雨は長く続く

しばらく気圧配置が変わらず、南西の風が続きそうです。少なくとも水曜日までは続く予想です。その後も風向きによっては大雨が続く可能性があります。

予想される8日夕方までの48時間雨量は、

西部・中部 350~450ミリ

東部    300~400ミリ

伊豆    200~300ミリ

これまで土砂崩れなどがおこっていないところも、この大雨がきっかけとなって崩れる可能性があります。引き続き土砂災害に警戒をしてください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

静岡県御前崎市出身。2011年に気象予報士資格を取得。2014年にNHK広島放送局で気象キャスターをはじめ、2017年からは地元のNHK静岡で気象キャスターを務める。たっぷり静岡(平日・午後6時10分~)に出演。地域に根ざした天気や、天気というフィルターを通すと気づく静岡の魅力をお伝えします。

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