◆高校生向けのビジネス体験学習イベントが炎上

まずはこの騒動の簡単なまとめから。

2021年10月5日、ネットメディア・cakesに掲載された記事(現在は削除済み)が多くの批判を集めました。

同記事には、2019年の高校生の体験学習の内容を掲載。

同年、高校生20人がビジネスのプロから講義を受け、そのうえで3.3万円の元金(3000円の小遣いと保護者からの出資が3万円)を1カ月でどう増やすか体験する、というイベントでした。

この主催は元・星海社新書編集長の柿内芳文氏が代表の株式会社STOKEで、イベントにはDMMの亀山敬司会長も参加。

最優秀賞を受賞したグループは、同人誌即売会・コミックマーケットで購入代行を考案。実行したところ、約28万円まで売り上げを伸ばしました。

これを亀山会長が「商魂たくましいチームだった」と称賛した、と記事にはありました。

で、この同人誌の「購入代行」、言い方はどうあれ、要するに転売行為です。

ただでさえ批判が強まっている転売に高校生がビジネス体験として関わっていたこと、それを亀山会長が容認し、あまつさえ称賛するのはおかしい、ということで炎上ルートを歩むことになります。

結果、亀山会長と主催者である柿内氏は謝罪することとなりました。

騒動のざっくりとした経緯は以上となります。

◆なぜ石渡はすぐ記事にしなかったのかという言い訳

私はこの件、知ってからすぐ記事にしようか迷い、結果、記事にはしませんでした。

それで今は多くの読者が見込めるであろう、Yahoo!ニュース個人の無料版ではなく、少数の読者しか見込めないYahoo!ニュース個人有料版で記事にしています。

その理由は、主催者である柿内氏が知人、それから他の書き手・メディアがすでに記事にしているという理由が3割、残り7割は教育関係者は他人ごとではない、と感じたからです。

まず、前提条件としてご説明しますと、この高校生ビジネス体験イベントを主催した柿内氏は私の知人です。

私が過去19年間で出した著作31冊のうち、唯一10万部を超えた『就活のバカヤロー』(大沢仁との共著・光文社新書・2008年)の担当編集者が柿内氏でした。

同書で冒頭に就活の様子を「焼き肉の生焼け」と表現しています。

これは柿内氏がプロローグの原稿で確か5回か6回、NGを出しやがりまして。

それで、今の就活を表現するのは何だ、焼き肉の生焼けみたいなものじゃないか、ということで書き直したところ、今度はOKが出ました。結果、『就活のバカヤロー』は累計13万部の大ヒット。さらにはこのエピソードが転職漫画として大ヒットした『エンゼルバンク』にも使われるなど、意外な副産物も生み出しました。

柿内氏は2007年刊行の『最高学府はバカだらけ』も担当してくれており、こちらは累計5.5万部。

要するに、柿内氏は私にとって著作を大ヒット作にしてくれた恩人というわけです。

とは言え、この2冊を出した後は柿内氏いわく「就活ものは飽きた」という理由と、光文社→星海社→コルク→STOKEと転職・起業されたこともあり、特にご縁なし。

直接話したのは多分10年前。その後はfacebookとTwitterは一応つながっている、という程度です。

なので、同人誌の転売を許すとは愚かしい、と記事を書いてもよかったわけで。

それでも、10年以上前とは言え、恩人であることには変わりないし、そもそも「転売許すまじ」的な記事は他の人が書いているし、というのが、すぐ記事にしなかった理由の3割くらいです。

まあ、私と柿内氏のつながりはネットで調べればすぐ出てくる話ですし、一応前提条件としてご説明させていただきました。

※以下、有料版読者にのみ公開。

項目は

◆教育関係者はなぜ他人ごとではないのか

◆深く調べず一方的な正義がある、と思い込む

◆質問に対して的確に答えない

◆ネガティブなアドバイスを受け入れない

◆大学教職員や関係者は他人ごとではない

◆恒常的につながりのある大学教職員の難しさも

の6項目。

記事ボリュームは無料公開部分を合わせて、約5800字(うち、有料公開部分約4400字)です。