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VRの展示会は実はB2B向きとしか思えなかった「京セラ機械工具のVR Chatブース」

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー
(VRChat上のJIMTOF2022 京セラブース:筆者撮影)

東京ビッグサイトで開催されている「JIMTOF 2022」(第31回日本国際工作機械見本市)の出展に合わせて、京セラ機械工具がVR Chatでリアル会場を再現したVR展示会を開催。そのツアーが行われたので参加してきました。

(VRChat上のJIMTOF2022 京セラブース:筆者撮影)
(VRChat上のJIMTOF2022 京セラブース:筆者撮影)

京セラの切削工具の紹介と高能率加工によるカーボンニュートラルへの取り組みを紹介するメタバース上のバーチャル展示ブースをVRChat上にご用意しました。

https://www.kyocera.co.jp/newsroom/topics/2022/002042.html

正直、当初は個人的に機械工具はほとんど知らないジャンルだし、B2Bだし、VR展示会って言われても、なんかそれっぽいのがぴゃーと光ってぐるぐるまわる感じなのかなと思っていました。

ところがどっこい、普段は人目にあまり触れないB2Bで専門性の高いものこそ、VRで展示をする意味がある展示会でした。これはもう完全に自分の不勉強を恥じました。

それはどういうところにあるのかというと、すでに話題となっているこの動画でお分かりいただけるかと思います。

だって、実際の展示会にいって、仮にその機械が展示してあったとしても、こんな風に違う2つの切削工具を近距離で拡大して、しかも動作しているところを比較しながら、同時に見るなんてことはできないわけですよ。

それがVR展示会では、もちろん仮想とはいえ、どういうことなのか?ということを手早く理解することはできるわけです。

(VRChat上のJIMTOF2022 京セラブース:筆者撮影)
(VRChat上のJIMTOF2022 京セラブース:筆者撮影)

B2Cの展示会では、製品がコンシューマー向きですから、例外はあるものの手に取って自分で触ることがいちばん理解しやすかったりはします。

ところが、B2Bの展示会では、とても会場には持ち込めない大型のもの、会場には持ち込めるけど小さすぎて、普通の状態では見れない・触れないものなんてものがどうしてもあります。

それを今までの展示会では、写真やイラストで補いつつ、展示員のみなさんが説明してきたわけですが、VR空間であれば、仮想とはいえ、動いている様子をアニメーションで見せたり、手に取ることができるわけです。

(VRChat上のJIMTOF2022 京セラブース:筆者撮影)
(VRChat上のJIMTOF2022 京セラブース:筆者撮影)

これはB2Bの領域では、すごくポテンシャルのある活用事例です。

さらに、こういった展示で内容を理解したら、今回の京セラ機械工具のブースではそこまで用意はされていませんでしたが、そのまま個別のブースに移動して商談するなんてこともVR Chatの機能を使えば、比較的簡単に構築できます。

体験して、理解して、商談するということを、場所や地域や展示するものの物理的な制約から離れてできるのが、VR展示会です。

でも、その利便性がB2Cではなく、B2Bの分野でこそ有効であることは、展示会に参加してみないと実感としてはわからないことでした。

ということで、VRの展示会は、実はB2Bにこそ向いているということを味わうだけでも、今回の「京セラ機械工具のVR Chatブース」は一度覗いてみる価値のある内容です。

ぜひ、体験してみてください。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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