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全裸監督シーズン2公開の今だからこそ、改めて見たい山田孝之×吉田豪ロングインタビュー

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー
YouTubeより(著者ショット作成)

全裸監督シーズン2が6月24日に配信開始となりました。Netflixの常とはいえ、いきなりの全話公開です。

私も早速みようかなと思いもしたのですが、なにせあの全裸監督の続編、シーズン2です。期待が高まると同時に、シーズン1から2年近い歳月(しかもコロナ禍の時期)経過しての公開。

そういえば、2年前には渋谷でこんなキャンペーンもあったとよなあと思い出したりもしました。

そして、シーズン2でも渋谷はこんな感じ。

足利にある渋谷スクランブル交差点オープンセットで撮影されたシーズン2の90年代渋谷の冒頭シーンがすでに話題になっていますから、そりゃ渋谷で展開するわけですね。

それにしても、今思っても、8月8日に公開された全裸監督が、8月16日にはシーズン2決定の情報が解禁となったわけですから、Netflixがそれだけの短期間で意思決定できるほどの反響があったのかが、その事実だけでもわかります。過去のどのNetflix作品よりも、全裸監督が日本でのNetflixに新規会員獲得に貢献したということも、当時ずいぶん言われたものです。

それだけのエネルギーが全裸監督にはありましたし、あの当時の熱気や、そもそも全裸監督とはなんだったのか?、主演の山田孝之とはどういう人なのか?、そういったことを少し確認して、シーズン2に臨みたいなあと思ってしまったのです。

そこで思い出したのが、当時公開された山田孝之×吉田豪による全裸監督ロングインタビューです。

このインタビューは、それぞれ1本約10から15分ほどのものが、5本公開されていました。公開されたのは、2019年9月。撮影されたのは、インタビュー最後にシーズン2が決まったことを明かされていることから、8月16日近辺と想像できます。

すべて見ると、1時間近い長さがあるのですが、このインタビューはお互いの丁々発止感も含めて、しれっと最後まで見れてしまいます。

▼『全裸監督』ロングインタビュー 山田孝之 & 吉田豪

この動画自体の公開から、2年経過していることもあり、重要な言葉をいくつかピックアップしてみました。

  • 以前から、作品にかかわりたかった山田孝之
  • 20年仕事やってきて、いちばん反響があった
  • 演者側の気づかいの少ない、規制の少ないNetflixの作り方は表現に幅が作れる
  • 圧倒的な予算が人件費に使われる
  • 予算のおかげで労働時間が守られ、余裕のあるスケジュールになる
  • インフルエンザが出てしまったとき、撮影を止めてくれた
  • 撮り終わってから世に出すからスケジュールに自由度がある
  • Netflixはシーズン1だけで企画を考えることはない
  • 脚本の準備の段階は参加し、あとはキャラづくりに入った
  • アダルトビデオを題材にするということ
  • 村西とおるは伝えるときにスイッチを入れているし、それを楽しんでいる
  • 当時のことをそのまま作るのではなく、あくまでも世界に向けたエンタメとして作った
  • 村西さんが語っているところがそのまま事実とは限らない(笑)
  • いいファンタジーになった(笑)
  • セスナの絵の説得力
  • とにかく現場が楽しかったのはキャストとスタッフ含めたチームの一体感
  • クレーム対策的な規制はほぼなにもなし
  • 健全で、めちゃくちゃ楽しくて、ずっと撮影したいと思っていた
  • Netflixというやり方があったんだという発見
  • 海外にいくしかないと考えてた時期もあった
  • 映画よりも手っ取り早い、日本語で表現していい
  • このやり方であれば、いままでの蓄積で外に出ていける
  • Netflixは1から作り方が違った、ちゃんと慎重に作っていた
  • 想像以上のアクション映画になってた(笑)
  • 音楽にこそ、予算の違いが出る(二次使用など)
  • Netflixのデメリットは今のところ、ほぼ見えない
  • 全部がNetflixみたいになればいいということではない
  • こういうの待ってたという反響
  • ぼくを見て希望を感じる人がいればいいという気持ちでやってる
  • 元気に生きてるのがいちばん(笑)
  • 僕は好きにやります
  • 変化は起き始めていると思う
  • オーディションは健全
  • 森田望智さんは今回発見された
  • シーズン2は決定しております、がんばります

はい、もうおわかりですね。つまり、Netflixのコンテンツ制作に対する真摯な姿勢が、いかに全裸監督の出来栄えに直結していたのかがわかる内容になっています。しかも出演者と第三者がこの語り口で話すことで、Netflixが自分たちで制作体制をPRするよりもずっと効果的です。そこにもちゃんと予算をかけているNetflixは、ホントに自分たちのことを理解していますし、そこがどうしても尊敬してしまう部分です。結局、Netflixはコンテンツへの熱量が高いのです。

ということで、もう準備はいいでしょう。全裸監督シーズン2です。

「空からエロが降ってくる」

これは、今となってみれば、Netflixのことに他ならないわけで、そのNetflixでこの全裸監督の話が流れていることのおもしろさを噛みしめたい。やはり、全裸監督シーズン2、見るしかないのです。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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